戦後75年、博多港の歴史後世に 引き揚げ証言集発行へ 9月完成予定

西日本新聞 ふくおか版 小林 稔子

 終戦後、海外に取り残され、祖国を目指した約139万人が命からがら博多港(福岡市)に引き揚げてきた-。その史実を伝えようと活動する引き揚げ者らの市民団体「引揚げ港・博多を考える集い」(福岡市)が、証言集発行に向けて準備を進めている。子どもたちにも伝わりやすいようにイラストや当時の写真を使い、本を通して後世に思いを託す。

 タイトルは「あれから七十五年」。戦後、旧満州(中国東北部)や朝鮮半島から、博多港や浦頭港(長崎県佐世保市)に引き揚げてきた人など、15人分の体験記を盛り込む。引き揚げてきた孤児が生活した「聖福寮」(福岡市)の話など、その後の生活も時系列で紹介するという。

 事務局長の堀田広治さん(82)によると、1992年に団体が発足して以降、100人以上から体験記が寄せられており、これまで団体の証言集などで紹介してきた。

 今回は2年前に制作した「あれから七十三年」(図書出版のぶ工房)の続編で、その後に寄せられた体験記を紹介したいと続編の発行を決めた。完成は9月の予定だ。

 現在、定例会に参加するのは約10人。その多くが80代だ。今回の発行は「戦後75年の節目だからというわけではない」。「年々少なくなる体験者の証言をできるだけ多く、本にして残したい」。堀田さんは言葉少なに、切実さを語った。 (小林稔子)

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