アマビエ描き疫病退散「ねがい餅」 直方市の和菓子店が発売

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視 福田 直正

 新型コロナウイルス終息の願いを込め、疫病退散の御利益があるとされる妖怪「アマビエ」を描いた餅菓子を、福岡県直方市古町商店街の和菓子店「大塚菓子舗」が売り出した。名付けて「ねがい餅」。自家製のあんこをたっぷりと詰めた、一口サイズの紅白2種がある。

 店主の大塚雅士さん(64)は「食べたら、もう一つ食べたくなる味で、口溶けがいいよう、工夫した」と話す。ともに餅粉を練り上げ、紅の餅は白あん入りで、白は粒あん入り。寒天で作ったアマビエのシールを表面に貼り、人出が見込まれる今月5日の「直方五日市」を機に発売した。

 すぐに客からの反応があり、「ほかの人にも食べさせたい」とリピーターが買い求めに訪れている。大塚さんは「おいしかったと、またおいでいただくのが一番うれしい」と感謝する。紅白各3個の詰め合わせで650円(税込み)。

 中心市街地の古町で、祖父の末一さんが鍛冶業に携わり、隣接して父雅三(まさみ)さんが店を開いた。大塚さんは2代目で、和菓子の道に入って50年近く。妻の由美子さん(63)とともに店を営み、筑豊地域の13店でつくる「筑豊菓子組合」のリーダーでもある。

 コロナ禍で法事や祭事、茶席が減り、和菓子店には大きな痛手となった。外出自粛により店の近隣からの客足が増えるメリットがあった一方、往来が再開した途端、駐車場を備えた大型店に客足が向くようになったという。店に正負の影響をもたらした疫病に、大塚さんは「和菓子の需要が戻る状況に変わっていってほしい」と退散を願う。

 店の屋号は先代の頃から「川すじ饅頭(まんじゅう)」。だが、その名を持つ商品は今に至るまでないという。大塚さんは「誰が食べてもおいしいと思えるような、納得できるものをなかなか作れない。『ねがい餅』の改良を重ねながら、追求し続けたい」と意気込む。同店=0949(23)0034。 (安部裕視)

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