孤立集落150カ所→9カ所に 進む救助、続く雨なお心配 熊本南部

西日本新聞 社会面 綾部 庸介 井崎 圭 水山 真人

 熊本県南部を襲った豪雨は各地で集落を孤立させたが、道路の土砂の撤去や自衛隊による救助などが進み、孤立状態は解消されつつある。県によると、最大で約150あった孤立集落は13日現在、9カ所まで減った。一方で、孤立状態の集落に残り続けている人もおり、新たな土砂災害で孤立化した集落もある。住民の安全確保には依然として課題が残っている。

 24人が亡くなった球磨村。12日午後、糸原地区の住民4人が自衛隊のヘリで救助された。約40人が暮らす集落では、4日の豪雨で近くの橋が流されてしまった。8日に自衛隊ヘリで35人が救出されたが、4人は家の管理や「飼い犬を置いていけない」といった理由で残った。だが、雨が続き裏山が崩れる恐れが発生。村からの避難要請を受け、改めて救助を求めたという。

 4人はそれまで、川の対岸と集落を結んだ滑車付きのロープで自衛隊や家族から食材を届けてもらい、毎食を共にして励まし合っていたという。会社員の糸原栄典さん(50)は「電気がなく連絡も何もできないのがつらかった」と振り返りつつ、「今はひと安心。家族と再会できてうれしい」と安堵(あんど)していた。

 一方で、県は12日、八代市泉町で集落の孤立状態が新たに発生したと発表。11日夕、「連日の降雨で道路に土砂が流入した」と同市から連絡があったという。当面の物資の蓄えはあり電話も通じるが、県の担当者は「危険な場所もあるかもしれない」と懸念する。

 県によると、現時点で孤立状態にある9集落とも、自衛隊などが住民と接触済み。電気や水道が使えない集落もあるが、13日正午現在、142人が自らの意思で避難せず、集落に残っているという。芦北町白石に住む男性(57)は、浸水を免れた自宅の2階部分で生活を続けている。「雨が降れば怖いが、家の片付けが済んでいない。防犯のためにも簡単には離れられない」と、避難の決心が付かない胸の内を明かした。

 県の担当者は「避難所に来てほしい気持ちはあるが、残りたいという住民の意思も無視できない。安全の確認を続けたい」と話す。

 県は孤立解消について「住民全員が車でアクセスできる場所などに避難すること」「集落へ車が通行可能になること」のいずれかを満たすことと定義している。(綾部庸介、井崎圭、水山真人)

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