ある雨の日、「雲が赤いからヤバイ」などと知り合いの若者が言うのを…

西日本新聞 社会面 内門 博

 ある雨の日、「雲が赤いからヤバイ」などと知り合いの若者が言うのを小耳に挟んだ。え、夜なのに雲が赤いなんてそりゃあ大変、と私はとんちんかんな反応をしそうになり、声に出さなかったことを安堵(あんど)した。若者はスマホで雨雲レーダーを見ていたのだ。

 科学も医学も日進月歩だ。天候は、ある程度までは予測が可能になった。今回の新型感染症も、素人感覚ではワクチンはまだか、ともどかしいが、ウイルスのゲノム(全遺伝情報)解析などは猛スピードで進む。

 2013年の新年別刷りで災害伝承の特集をしたことがある。「山潮(やましお)ん前にゃ 川んくそなっ」(山崩れの前には川が臭くなる)など真偽は不明なものも多かったが、先人から「科学や医学を過信するな」との教訓を学んだ。毎年のように続く災害。今年は新型感染症の流行も起きた。文明の知見にあぐらをかかず、謙虚に災害や感染症と向き合いたい。 (内門博)

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