無罪確定でも免許取り消し…無効求め福岡の女性が提訴へ

西日本新聞 社会面 鶴 善行

 衝突事故で男性=事故当時(18)=に重傷を負わせたとして自動車運転処罰法違反(過失傷害)の罪に問われ、無罪が確定した福岡市の女性(41)が、福岡県に運転免許取り消し処分の無効確認を求め、近く福岡地裁に提訴する。無罪が確定しても免許取り消しなどの処分が見直されない現状に対し、女性の代理人弁護士は「訴訟を通して制度の問題点を追及したい」と訴えている。

 交通事故では、罰金や懲役刑などの刑事処分と運転免許取り消しなどの行政処分がある。刑事処分は裁判所、行政処分は各都道府県の公安委員会が決めるため、仮に無罪となっても行政処分の効力は継続し、取り消すには訴訟などを起こす必要がある。

 女性は2017年2月14日夜、同市早良区野芥7丁目で軽トラックを運転中、進路の安全確認を怠ってミニバイクに追突し、男性に脳挫傷などの重傷を負わせたとして在宅起訴された。

 訴状などによると、県公安委員会は同年12月、女性の過失で事故が起きたことを前提に運転免許の取り消しを決めた。一方、今年5月の福岡地裁判決はバイクが突然進入したことで事故が起きた可能性があるとして女性の過失を否定。検察側は控訴しなかった。

 事故後、女性は当時勤務していた配送会社を辞職。再び仕事を探しても運転免許がないことで不採用が続いたという。県公安委員会に処分の撤回を申し入れると「処分には重大かつ明白な瑕疵(かし)はない」と回答されたため、提訴を決めた。

 女性の代理人弁護士は「過失を前提とした処分には著しい誤りがある。職業選択の自由も大きく制限され、不利益を受けた」と主張。福岡県警の望月聖史首席監察官は「訴状が届いた際には適切に対応したい」としている。(鶴善行)

   ◇    ◇

 交通事故に関する刑事裁判で無罪となった人を支援しようと、今回の訴訟の弁護団や支援者は16日、インターネット上で資金を募るクラウドファンディング(CF)を始める。目標額は200万円。寄付はCFサイト「READYFOR」から「無罪のあと、ちゃんとしよう!プロジェクト」へ。

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