コロナ感染の懸念…避難者に不安募る 車中泊や被災家屋で過ごす人も

西日本新聞 社会面 小川 勝也 長 美咲 中原 岳

 熊本県の豪雨被災地では14日現在、約2千人の被災者が避難所に身を寄せている。不自由な生活に加え、避難所運営の支援のため派遣されていた保健師の新型コロナウイルス感染判明を受け、二重三重の不安にさいなまれている。避難所を避けて車中泊をしたり、被災した家屋で過ごしたりする人もおり、健康状態の悪化も懸念される。

 高松市から応援に来た保健師のコロナ感染が判明した13日夜。保健師の立ち寄り先だった人吉市立第一中では、感染を知らせるアナウンスが流れると、横になっていた被災者たちが次々に起き上がり、不安そうな表情を浮かべて県が実施するPCR検査を受けた。

 東京都から球磨村の実家への帰省中に被災した青木トモ子さん(43)は「感染者が出てびっくりした。6カ月の息子と高齢の母もいるので検査を受けた」と話した。避難所内では、以前からせきをした人に過敏に反応するような雰囲気があったという。青木さんは「感染者が出てしまった以上は、より一層気を付けるしかない。助けに来てくれた他県の職員さんには感謝しています」と話した。

 一方、同市相良町の岩井正美さん(70)は豪雨に見舞われた4日以降、軽乗用車の中で飼い猫と過ごす。早朝から家の片付けをし、助手席を倒して寝るため腰が痛む。「猫はどこに行くか分からないし、ケージに入れると鳴く。周囲に迷惑は掛けたくない」と車中泊を続けている。

 1階が浸水した親族宅に身を寄せる同市の女性(30)は「避難所はゆっくりできないし、コロナ感染の不安もある。この生活で体調が悪くなってもしょうがない」と力なく笑った。

 人吉下球磨消防本部によると、今回の豪雨災害では、14日までに避難所や車に避難していたとみられる球磨村の54~70歳の男女3人が、エコノミークラス症候群の疑いで搬送された。

 こうした状況に各自治体は苦慮している。多数の集落が孤立した同村は、車中泊や在宅避難者の把握がほとんどできていない。津奈木町は、車中泊の場合は行政が把握しやすいように避難所の駐車場を利用するよう呼び掛けている。

 2016年の熊本地震では、避難生活による体調悪化が原因の関連死が相次いだ。人吉市の松岡隼人市長は「避難所の避難者はもちろん、車中泊や在宅避難の被災者をどう支援するかは大きな課題だ。関連死がでないよう、しっかり対応を進めたい」と話している。

(小川勝也、長美咲、中原岳)

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