土砂の中「きつかったね」…家族3人死亡、遺族ら深い悲しみ

西日本新聞 社会面

 熊本県南部を中心に大きな被害が出た4日の豪雨により、土砂崩れが起きた熊本県津奈木町福浜の現場で発見された2人の身元が、丸橋ミチ子さん(83)と長男貴孝さん(58)と判明し、発生当日に見つかった夫勇さん(85)を含む家族3人全員の死亡が確認された。知らせを受けた遺族や近隣の住民たちは深い悲しみに暮れた。

 早期の発見を願っていたミチ子さんの妹松崎みね子さん(70)=同県水俣市=は15日、取材に応じ「きつかったね。やっと勇さんのそばに来られてよかったね」と思いやった。

 土砂崩れは丸橋さん宅を押し流した。大量の土砂が流れ込み、足場はぬかるんで捜索活動は難航。連日の雨で何度も中断された。貴孝さんとミチ子さんは11日と12日にそれぞれ発見され、14日に身元が確認された。みね子さんはたびたび捜索現場近くを訪れた。「一生懸命見つけてもらい、捜索隊の皆さんには感謝しかない」と涙ぐんだ。

 被災した住居からは、みね子さんが約50年前、丸橋さん夫婦宅に寄宿していた当時の写真も出てきた。みね子さんが編んでプレゼントしたセーターを着た貴孝さんも写っており、「胸が痛みます」とうつむいた。

 親族らによると、丸橋さん一家は阪神大震災で兵庫県尼崎市の自宅が被災し、ミチ子さんの実家に近い津奈木町に移住。デコポン農家となり、近隣住民の農作業を手伝うなど地域に貢献していた。近所の人は、夫婦そろって笑顔で散歩する姿を何度も目にしたという。貴孝さんは優しい性格で、自治会の会計を任され、周囲の信頼も厚かった。

 貴孝さんは数年前、デコポン栽培を勇さんから受け継ぎ、生産量も安定。最近入籍した長男(25)の結婚式を楽しみにしていた。親交が深かったかんきつ農家の村上恭一さん(55)は「早すぎる。これからも地域を担っていく存在だった。損失は大きい」と悼んだ。 (村田直隆)

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