オンラインで目指せ日本一 全国2連覇の祐誠高弓道部

西日本新聞 筑後版 平峰 麻由

 祐誠高校(福岡県久留米市)を含む全国8校の弓道部が、全国高校総合体育大会(インターハイ)の中止を受け、インターネットを利用した「リモート全国大会」を今月25、26日に開く。祐誠高は昨年12月の全国高校弓道選抜大会で2年連続優勝を飾るなどした屈指の強豪校。部員たちは一度は失った“最後の夏”に向け、闘志を再燃させて稽古に励む。

 同校の大石圭子主将(3年)は、全国選抜大会を連覇したものの「準備不足で内容は納得いかなかった。悔いはインターハイで晴らす」と狙いを定めていた。

 そこに影を落としたのが新型コロナウイルス。臨時休校になっただけでなく、校外の弓道場も閉鎖され、練習場所を失った。大石主将は近所からもらった不要な畳を、的を掛ける「的山」にして自宅に即席の弓道場を作って練習したが、4月26日、インターハイ中止が決定。地区大会と県大会も行われなくなった。

 これを受けた3年生全員によるLINE(ライン)のビデオ通話でのミーティング。切り替えて受験勉強を始めるべきか、自分たちにとって弓道とは何か…。結論は「インターハイ優勝は『目標』だが『目的』ではない。弓道を通して自立した人間になることが部活動の意味だ」。稽古を続けようと全員で決め、自宅での練習をビデオ通話で共有し、フォームの確認や呼吸法を練習した。部員は毎日「弓道ノート」に目標と反省を書いて自らを律した。

 安達淳一監督も「なんとか3年生に最後の舞台を」と奔走。県の専門委員会に呼び掛け、6月には個人の記録を持ち寄って集計する手法で県大会を開いた。

 そんな中、部員とのミーティングでビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使ううちに、リモート全国大会を思いつく。各校の弓道場にカメラを置き、弓を射る選手を撮影。「始め」の声を合図に、28メートル先の直径36センチの的を狙う「近的」を行い、5人が4本ずつ放ち的中数を競う。映像は各校のパソコンや大型画面に表示するやり方だ。

 声を掛けると作新学院(栃木)、秋田北(秋田)などの強豪校が賛同した。6月27日にはリモートで練習試合も試行。安達監督は、同じ場所に相手がいなくても「リアルタイムでやれば相手を意識して緊張感が生まれる。無心で射られるかが肝心」と語った。

 久しぶりの対戦で、弓道の楽しさを再認識した選手たち。大石主将は「新型コロナがあったからこそ、弓道ができるのは当たり前ではないと気付けた。仲間や監督、支えてくれた家族への感謝を胸に全力で戦いたい」。試練が部員たちを成長させたようだ。 (平峰麻由)

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