いつ避難すれば?災害情報を入手する3つの方法

西日本新聞 くらし面 酒匂 純子 下崎 千加

 熊本県南部を中心に九州全域を襲った記録的豪雨では、天候や川の水位が想定以上に急変した。命を守るため、私たちは避難のタイミングをどう判断したらいいのだろう。防災情報の入手方法や避難時の声掛けなどについて、あらためて押さえておきたい。

 避難の目安になるのは「警戒レベル」だ=イラスト参照。1、2は気象庁が発表。3(避難準備・高齢者などは避難開始)、4(避難勧告・避難指示)、5(既に災害が発生)は市町村が発表する。まずは、こうした情報をリアルタイムで得ることが必要だ。

 くらし面で「どうなっとうと?デジタル」を連載している伊藤志保さん(49)は、情報の入手方法として(1)市町村の防災メール(2)テレビ(3)アプリ「Yahoo!防災速報」-を勧める。「事前にメール登録し、テレビをつけ、総合的なアプリで補足する。確かな情報を必要なだけ持っておくと安心でき、いざというときに動ける勇気も出るのではないか」と語る。

 (1)の防災メールは、スマートフォンだけでなくガラケー(従来型携帯電話)でも登録できる。スマホではLINE(ライン)で自治体と「友だち」になっておけば、避難情報などが随時送られてくる。

 (2)のテレビでは、地域ごとの細かい情報が画面の上下などに「テロップ」として表示される。リモコンの「dボタン」でも確認できる。

 (3)の「Yahoo!防災速報」は「地域の情報がコンパクトにまとまっていて、デザインも見やすい」という。地域を設定すると、その自治体から避難情報などが届く。「防災手帳」という項目をタップすると避難場所を地図上で探せて、自治体のハザードマップも確認できる。災害用伝言ダイヤルや緊急連絡先も一覧になっており、慌てていてもタップするだけなので安心だ。

 伊藤さんの自宅は福岡市早良区だが、今回の豪雨では防災情報の通知でスマホが鳴りっぱなしだった。さまざまな防災アプリが反応したり、地域の設定を細かくしておらず他地域の情報が送られてきたりしたようだ。「いろんなアプリを使うのではなく、一つを使い込む方が緊急時には役立つ。日頃からスマホで“避難訓練”しておくことも大切」と実感した。

 日常的に「雨雲レーダー」も確認しておきたい。気象庁のサイトのほか、アプリ「Yahoo!天気」などでは15時間後まで雨雲の位置の予測が見られる。急な避難に備え、1~2日しのげるモバイルバッテリーを常に持っておくことも大事だ。 (酒匂純子、下崎千加)

「○○さんも行ったよ」 効果的 知人と一緒で避難も前向きに

 非常時でも家を離れたがらない人たちに避難を促すにはどうしたらいいのか。地域で防災教育に取り組む日本防災士会福岡県支部の力丸健治支部長(60)=福岡市東区=に聞いた。

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 高齢者は足腰が弱く、日が暮れたり、本降りになってからだったりすると、まず逃げない。だから明るいうちに、避難準備情報が出る前の警戒レベル1や2で避難を促す。仲の良い人の名を出して「○○さんも行っとるよ」などと声掛けすると効果的だ。気兼ねなく話せる友人がいると分かれば、重い腰も上がる。

 そのためには、普段からの付き合いが欠かせない。民生委員や区長が訪問し、「前の川はあのとき氾濫して○軒が漬かった」などと過去の具体的な被害を繰り返し耳に入れておく。「今まで何もなかったから大丈夫」と経験則で判断しがちなので「今は異常気象で、そういう所が次々被害に遭っている」とも伝える。

 高齢の親と離れて住む子どもが「いくら電話で言っても避難してくれない」と心配している。危機的な状況のとき、本人は「うちは大丈夫」という心理状態(正常性バイアス)に陥りがちだ。あらかじめ親が住む市町村の防災メールを登録しておくと、現地の避難情報が届き、説得材料になる。里帰りのたびに隣人にあいさつに行き「何かあったら一緒に連れて避難して」と頼んでおくことも大切だ。

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