戦国武将の田中吉政を映画に 信長、秀吉に仕えた初代筑後国主

西日本新聞 筑後版 丹村 智子

 初代筑後国主・田中吉政(1548~1609)を研究する福岡県八女市の田中吉政史談会(江崎久美子代表)が、吉政の青壮年期を描く映画「田兵 Denpei」を製作している。3月に吉政の演劇を上演する予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期に。「密」になるホールの演劇が無理なら、家庭でも楽しめる映画を作ろうと、逆境をばねに取り組んでいる。

 戦国時代から江戸時代までを生きた吉政は、織田信長や豊臣秀吉に仕えた。関ケ原の戦いでは徳川家康の東軍につき、その戦功で1601年に筑後国主に。道路や河川の整備、新田開発を手掛けた。八女では、柳川城の支城の福島城を整備し、城下町を形成した。

 映画は、広川町出身で史談会理事の俳優中村文平さん(66)が脚本や監督を担当している。2012年に帰郷した中村さんは、筑後の基礎を造った吉政に興味を持ち、15年から吉政の劇を市内外で上演してきた。

 「信長や秀吉を陰で支えた。戦の強さだけでなく政治や行政、経済にもバランスのとれた人物だった」と吉政の魅力を語る中村さん。今年は1620年に田中氏の筑後統治が終わって400年の節目で、3月に柳川市で記念公演するはずがコロナ禍で延期になった。今できることを考え、映画化に行き着いた。

 製作費約120万円は、コロナに伴う国の持続化給付金と、スポンサーから集めた資金を充てた。6月に撮影を始め、今月5日には八女市黒木町の山中で、市内外の劇団員や地元エキストラなど総勢33人による合戦シーンを撮影した。

 映画のDVDは、八女伝統工芸館で9月に開催を予定する吉政の資料展での販売を目指す。中村さんは「郷土の英雄を多くの人に知ってほしい。家庭や教育現場で活用してもらえれば」と願う。

(丹村智子)

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