閉校前にコロナ禍…失意超えて「集大成」 宮崎・都農高の部活生ら躍動【#最後の夏残したい!】

 新型コロナウイルスの影響で相次いで主要大会が中止になるなど揺れに揺れた今夏の高校スポーツ界。各競技団体により代替試合の開催が続く中、特別な思いを抱く高校生アスリートがいる。来春閉校する宮崎県立都農高(梅津政俊校長、72人)の生徒たちだ。コロナ禍に見舞われながらも「最後の夏」を駆け抜ける姿をカメラで追った。

 昨年6月、男子バスケットボール部の最大の悩みは部員不足だった。このままだと、他校との合同チームを結成するしか大会出場の道はないが、それだと「TSUNO」のユニホームは着られない。「最後だからこそ自分たちのユニホームにこだわる」。橋口晃之主将(18)らの呼び掛けに未経験者3人が応じた。しかし、ほどなくコロナ禍によって学校は臨時休校となり、高校総体も中止に-。

 失意に暮れる選手たちのために立ち上がったのが脇田亜門顧問(28)だった。「10年、20年先も仲間であってほしい」と、地元5校と協力して“引退記念交流試合”の開催にこぎ着けた。

 6月14日、高鍋高体育館。高校最後の試合で円陣を組むと、白いユニホームの胸に刻まれた「TSUNO」の文字が躍動した。「一緒に汗を流した絆は卒業後も続く」。全員が確かめ合った。

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 水泳部の黒木れん選手(18)は、山口宗英顧問(58)と二人三脚で代替大会に臨む。「得意の50メートル自由形で34秒を切りたい。ちょっと背伸びかな。でも、今の私ならやれる気がする」

 学校にあるプールは水温約23度。「楓恋はすごいな。この冷たい水の中で泳ぎ切るんだから」。山口顧問のさりげない言葉に背中を押され、「やればできる」と信じてこられた。

 コロナ禍を機に足元を見つめ直した。「学校や友達、練習に付き合ってくれる先生。毎日が楽しくて仕方ない」と表情を崩した。この学びやでの成長をタイムで示す時はもうすぐだ。

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 空手道部の大橋陽菜(17)と、剣道部の黒木謙始呂(17)両選手もそれぞれ部員一人だが「都農高を背負う気持ちで稽古に励んだ」と口をそろえた。大橋選手は12日に代替試合を終え、「1年の時に指導を受けた小玉和清先生と再会できたことが一番の思い出。3年間の集大成を見せられて、涙があふれました」と振り返った。9月の試合に向けて調整を続ける黒木選手は「心技体そろった剣を披露できるよう修練を続けるのみ」と、力を込めた。

 バドミントン部は、代替大会への出場を見送り、代わりに町主催の大会に参加して最後を締めくくった。瀧口拳志郎主将(17)は「都農高が町の皆さんの記憶に残るよう懸命にシャトルを追い掛けた」と話した。

 今後は進学や就職など新たな挑戦が始まる。高校最後の夏の舞台は、必ずしも思い描いていたような舞台ではないかもしれない。しかし、こんな体験こそが未来の糧になると信じる。(佐藤雄太朗)

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