黒ずみ、くぎ飛び出し、隙間… 熊本地震の災害公営住宅で不具合多発

西日本新聞 熊本版 壇 知里

 熊本地震の被災者向けに建てられた熊本県甲佐町の災害公営住宅「甲佐団地」で、鉄くぎが飛び出したり、黒カビが発生したりする不具合が見つかった。町内にある3団地のうち、同団地だけで不具合が多発。町と県は施工業者と調査しているが、直接的な理由は分かっていない。

 甲佐団地は昨年3月に完成。木造30戸で、30世帯52人が入居する。子育て支援住宅や防災公園と一体の「住まいの復興拠点施設」として町が計画し、県が工事を受託した。総事業費は6億3300万円。

 町と県によると、6月末までに見つかった不具合は、ほぼ全戸の軒裏に黒ずみ▽2戸の天井にくぎの飛び出し▽全戸の靴箱が小さすぎ▽3戸で天井の木の接ぎ目に隙間-など。入居が始まった昨年4月以降、「ドアを閉めても隙間ができる」などの声が相次ぎ、町が同7月にアンケートを実施。今年4月までに施工業者がドアなどを修理したが、不具合は収まらなかった。

 特に黒ずみは原因が不明確だ。設計業者は高温多湿による黒カビの発生が原因とみる一方、県などは「軒裏は防カビ塗装をしており、換気も良い」と説明する。近隣の住宅で同様のカビは見られないという。

 県住宅課は6月26日に県庁で記者会見し「発注者として責任を感じている」と陳謝した。

 設計に着手した2018年3月ごろは、熊本地震後の建設ラッシュが続き、業者不足も指摘された時期。県は「工事の急ぎすぎではない」と否定するが、ある町職員は「急いだ側面もあるのでは」と漏らす。

 災害公営住宅は、入居期限のある仮設住宅と違い「恒久的住まい」と位置づけられる。

 6月の取材時、60代男性宅では柱に亀裂が入り、戸は場所によって閉まりが悪く、家の外壁には黒ずみが目立っていた。男性は「『高温多湿』と、土地に原因があるように言われると気分は良くない。入居当初からおかしな点がたくさんあった」と顔をしかめる。別の入居者の女性は「一生住む予定で入ったのに、悪いイメージばかりでは悲しい」とこぼした。 (壇知里)

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