「なんとかしたい」豪雨復旧へ熊本一丸 県民ボランティアが奮闘

西日本新聞 一面 中野 剛史 鶴 智雄 黒田 加那

 熊本県南部を中心とした4日の豪雨で被災した地域に18、19の両日、休日を活用して多くの災害ボランティアが集まり、本格化する復旧作業をサポートした。各地の災害ボランティアセンターが新型コロナウイルス感染防止のため募集を県民に限定する中、熊本地震の復旧復興を経験した「熊本パワー」が被災地に元気を与えている。

 同県球磨村渡地区の民家では19日、熊本市などから集まった11人が作業に当たった。球磨川の濁流の痕跡が2階の壁まで残る現場で、土砂や水没した家具の搬出に汗を流した。

 作業リーダーを務めた同県菊陽町の会社員、狩野靖二さん(43)は「県民としてなんとかしたかった。難しい状況でみんな頑張った」と、泥の付いたマスク越しに力を込めた。地区を離れる際には、住民たちが「元気をありがとう」と笑顔で見送った。

 同県人吉市では高齢者の1人暮らしで、被災からほとんど手つかず状態の民家にボランティアが手を貸した。熊本市から駆け付けた飲食店従業員の女性(34)は、暑さと大量の泥のにおいに悩まされた。それでも泥の中から仏壇の位牌(いはい)や鈴を見つけることができた。「『ありがとう、ありがとう』と手を合わせてもらった。本当に来て良かった」

 人吉市と球磨村にボランティアを派遣した市社会福祉協議会によると、18日と19日で計1237人が参加。同県八代市では計447人が参加した。ボランティアに加え、親戚や知人、職場の同僚らが、片付けを手伝う姿も見られた。

 片付け作業の終わりはいまだ見通せない。19日の午前中は太陽が照り付け、午後には激しく雨が降った。人吉市では最高気温31・7度を観測。マスクを着けたボランティアは蒸し暑さに悩まされた。被災地の各消防本部によると、ボランティア1人と作業中の住民2人が熱中症で搬送された。

 球磨村の中渡徹防災管理官は「ボランティアの皆さんに心から感謝したい。倒壊しかけた家屋などが多くあり、二次災害に巻き込まれないようくれぐれも注意してほしい」と呼び掛けている。 (中野剛史、鶴智雄、黒田加那)

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