「新聞の力」と題したメールが転送されてきた…

西日本新聞 オピニオン面

「新聞の力」と題したメールが転送されてきた。発信は本紙、熊本総局の古川努記者。豪雨災害に見舞われた熊本県球磨村での出来事を報告している。手前みそだが一部を紹介したい

▼『球磨村の半孤立避難所3カ所に(災害発生の)初日から1週間分の新聞セットを届けました』『ここはテレビが映らず、新聞配達もなく、郵便もアマゾンも届きません』。古川記者は同僚から情報過疎の状態を聞き、「喜ばれるかな」と思い上司に相談して新聞を用意した

▼『ところが喜ばれるどころじゃなく、こっちが恐縮するほど大喜びし、奪い合うようにして読んでもらっています』『(本紙取材班の)みんなが懸命に集めた犠牲者の名前や写真、被災した集落のルポや写真、人吉や芦北の記事も、それこそ食い入るように』

▼ふるさとで何が起きたのか。連絡が取れない知人は無事なのだろうか。一片の情報もない避難所生活の中で、不安な時間を過ごしていたのだろう。少しでもお役に立てたなら、これ以上の冥利(みょうり)はない

▼この豪雨では私たちの仲間も被害を受けた。床上浸水した販売店がある。ミニバイクや機械が水損した店もある。それでもこの1部を、毎朝送り届けてくれる人がいる

▼古川記者は紙面に掲載した女性から、「私の安否が友人たちに伝わりました」とも感謝されたそうだ。新聞を求めている人がいる。そんな「読者の力」に私たちも励まされる。

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