「本当の第2波は必ず来る」北九州市医師会・穴井会長に聞く

西日本新聞 北九州版 内田 完爾

 新型コロナウイルスとの戦いにおいて、北九州市や周辺自治体の医療圏の司令塔となることが期待される北九州市医師会。6月、13代目の医師会長に就任した穴井堅能(けんのう)会長に今後の取り組みや課題を聞いた。 (聞き手は内田完爾)

 -市内の現状をどう見る。

 われわれは5月23日以降の市内の感染再拡大を「第2波」とは考えていない。第2波が来れば、もっと多くの感染者が出ると思っている。第1波の「積み残し」が出たという印象だ。現在は日々、ゼロや1桁の陽性者検出となっているが、感染経路不明な人が多い。実際は無症状の陽性者が市中にかなりいるはずだ。

 -どうすれば良い?

 今は火で言えばくすぶっている状態。いつどこで火の手が上がるか分からない。火だねを見つけるには、PCR検査を多くすることだ。濃厚接触者の全員検査で無症状の陽性患者が多く見つかったことで、幅広いPCR検査と、早期隔離・早期治療が新型コロナ対策の原則だとはっきりと示された。

 個人的には高齢者施設や学校、病院などクラスター(感染者集団)が発生したら特に困る場所の職員などを対象に、予防的にPCR検査をするのも一つの手と考えている。

 -なぜもっと早くPCR検査数を増やせなかったのか。

 市医師会は、市に対してPCR検査数の増加をずっと要望していた。検査能力の問題もあったが、市の返答は「(発熱4日以上などの)国の基準があるから」ということだった。結果論だが、もっと早い段階でPCR検査数を増やしておけば、発生を減らせたかもしれない。

 -秋冬にはインフルエンザシーズンを迎え、新型コロナと見分けのつかない発熱者が増える恐れもある。

 それを非常に心配している。今から準備しておかないと間に合わない。いずれ本当の第2波は必ず来ると思っている。高機能のN95マスクや防護服など感染防御の装備は必ず必要なもの。備蓄を進めたい。

 -第2波が来たとき、患者受け入れは現在の市内17協力病院体制で足りるのか。

 協力病院を大幅に増やすのは、人的資源の限りもあり難しい。患者の年齢や症状、基礎疾患などに応じて受け入れ病院を細かく割り振ることで対応したい。各病院の役割分担をもう少し詰めていく必要がある。また、以前のように無症状者は宿泊施設での療養という形になるだろう。

 -市民への呼び掛けを。

 新型コロナはまだ収束していない。数だけで安心しないでほしい。今まで通り3密を避けていただきたい。医師会でできることは全力でやる。

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