畜産業にも豪雨の爪痕 九重町の牛繁殖農家、廃業決める 

西日本新聞 大分・日田玖珠版 鬼塚 淳乃介

 豪雨の影響で大分県内の畜産業も被害を受けている。九重町野上の繁殖農家の男性(68)は、牛舎で飼っていた牛の親子8頭のうち6頭が溺死したり流されたりする被害を受けた。男性は廃業を決めたという。

 男性は、かつて品評会での受賞歴もある、4代続く畜産農家。30年ほど前、飼育頭数を増やそうと野上川のそばに牛舎を新築した。最近は体調も思わしくないことから飼育頭数を減らしていた。

 雨が激しく降り続いた7日朝5時ごろ、男性は心配で牛舎に向かったが、川からあふれた水が流れ込み、膝くらいの高さまで上がった。牛舎につないだ牛を放したかったが水位は一気に上がり、自分が逃げるので精いっぱいだった。牛は4頭が死に2頭は流された。「かわいそうなことをした」と男性。一生懸命育てた牛たちにそっと手を合わせたという。

 家族の支えもあり、最近ようやくショックから立ち直った男性。生き残った2頭の子牛を8月までに新たな飼い主に引き渡し、牛舎を閉じるという。男性は「愛着を持って好きな牛だけを大事に飼っていた。少ないなりにいい牛になるよう育てるのがやりがいでした」と振り返った。

 県によると、14日時点で畜産業は同町や日田市などで畜舎への土砂流入による破損や、鶏卵が出荷できず廃棄するなどして、計13件の被害が確認されている。

(鬼塚淳乃介)

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