喫煙室は大丈夫?重症化リスクは? たばこと新型コロナの関係

西日本新聞

 飲食店や職場などを原則屋内禁煙とする改正健康増進法が4月1日に全面施行された。たばこが吸える場所は、煙の漏れない喫煙専用室などに限られるものの、喫煙者が集まれば、新型コロナウイルスの感染リスクが高いとされる「3密」(密閉、密集、密接)の状態になってしまう。新型コロナウイルス感染症と喫煙の関係はどうなっているのか。

 新型コロナウイルスによる肺炎は、高齢者や持病のある人が重症化するリスクが高いとされている。これに加え、日本禁煙学会(東京)は患者の喫煙歴に注目。「喫煙経験者は重症化のリスクが高い」と警告する。3月29日に死去したコメディアンの志村けんさんも、かつてはヘビースモーカーだったという。

 学会が中国で発表された論文を分析したところ、患者1099人のうち、喫煙経験者は非喫煙者よりも重症化率が約1・7倍、死亡率は約3・2倍だった。中国・武漢の患者に関する別の論文では、喫煙者は重症化リスクが14倍となるデータもあったという。

 学会の作田学理事長は「喫煙者は肺の免疫機能が落ち、ウイルスに侵入されやすくなっている。過去に吸っていた人も肺が弱っている可能性があり、注意が必要だ」と強調する。世界保健機関(WHO)や東京都医師会も感染拡大防止のため、喫煙を控えるよう求めている。

 特に注意が必要なのが喫煙室という。喫煙者は互いにマスクをせず、2メートル以内の至近距離でたばこを吸い、平均5~6分は滞在する。喫煙室に感染者がいれば「濃厚接触」に近い状態となる。「クラスター(感染者集団)が発生する懸念がある」として、学会は喫煙室の閉鎖も呼び掛ける。

 九州大病院グローバル感染症センターの下野信行センター長は「一般的に、睡眠不足やアルコールの過剰摂取などの生活習慣病は、体のさまざまな免疫機能を低下させる。特に喫煙は、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患を引き起こし、重症化するリスク要因となる」と語った。 (山下真)

※記事の内容は2020年4月2日時点のものです。

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