「移民差別繰り返すな」日系人がトランプ政権にNO 強制収容背景に (2ページ目)

トランプ氏支持層「争点化」に危機感

 移民問題はトランプ氏支持の保守層にとっても大きな関心事だ。前回大統領選では、不法移民の流入阻止や排斥を訴えたトランプ氏への支持が白人を中心に広がり、今も底堅い。彼らは野党民主党支持のリベラル層が訴える「トランプ政権の移民政策は非人道的で、白人至上主義だ」との主張に真っ向から反論する。

 「ビザもなく違法に入国した者に法を執行しているに過ぎない」。こう語るのは右翼の論客ジャレッド・テイラー氏(68)。白人による構造的、潜在的な差別の存在を否定し、白人の権利擁護を主張する。

 テイラー氏は「国境の壁」建設などトランプ氏の不法移民対策を不完全と批判。トランプ氏が米国を白人中心の国と考えているとは思えないとした上で「民主党支持者は大統領を差別主義者と一方的に決め付け、移民や人種の問題を政治利用している」と非難した。

 与党共和党系の団体で活動し、トランプ氏のアジア系への浸透を目指す中国系のクリフ・リー氏(54)はトランプ氏が新型コロナウイルスを「中国ウイルス」などと呼んで差別をあおっているとの批判に「あくまで中国政府を攻撃しただけだ。人種的な発言ではない」と擁護した。

 ただ、大統領選で移民政策を含めた人種問題が争点になるのは避けられそうになく、黒人やヒスパニック社会ではサツキ・イナさんのように投票率向上を目指す機運が高まりつつある。マイノリティーの人口割合は年々増えており「投票率が上がればトランプ氏に不利」との見方が一般的だ。

 一方、マイノリティーにもトランプ氏の経済運営に期待したり、自身の仕事を奪いかねない新たな移民の流入を嫌ったりする人が少なくない。民主党の大統領候補指名が確定したバイデン前副大統領との接戦が予想されるトランプ氏にとって、そうした支持者を前回僅差で勝利した中西部などの「激戦州」でいかに増やせるかが再選の鍵となる。

 「厳しい状況は分かっている。これからが勝負だ」。リー氏は夏以降、ソーシャルメディアを多用した支持拡大策を本格化させる。

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