「まさか…」住民絶句 地盤緩み土砂一気 諫早市崖崩れで母娘死亡

 雨も落ち着いた25日、涼を求めて訪れた家族連れを突然の崖崩れが襲った。現場となった長崎県諫早市高来町の一帯は「轟峡」と呼ばれ、昨年度は約3万8千人が訪れた人気スポット。「まさかこんなことになるなんて…」。地元住民たちは言葉を失った。

 「土砂が崩れる『ドオー』というごう音を聞いた。斜面の下をのぞくと遊歩道が土砂で埋まっていた」。現場近くにいた70代男性は声を震わせた。別の住民は救急車などが慌ただしく行き交うのを見て「まさか」と絶句した。

 諫早消防署などによると、母娘3人は休憩所「青雲荘」の脇から、高さ二十数メートルから水が落ちる「轟の滝」へと続く斜面に整備された遊歩道を下っている途中に崖崩れに巻き込まれたとみられる。

 流れ落ちた土砂には直径1メートル~数十センチの岩も多数交ざっていたという。狭い場所で重機は入れられず、消防隊員や警察官はチェーンソーやスコップを用いて手作業で岩や石を取り除き、救助に当たった。

 大小複数の滝が連なる轟峡は多良岳自然公園の標高200~400メートルに位置している。 (山本敦文、岡部由佳里、西田昌矢)

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降雨から数日 災害の恐れ

 福岡管区気象台によると、崖崩れが発生した長崎県諫早市の7月の総雨量は25日午後6時までで931・5ミリに上り、7月の1カ月分の平年値(393・7ミリ)の倍以上に達していた。

 九州大アジア防災研究センターの三谷泰浩教授(岩盤工学、防災工学)は「一般論として、地盤や岩盤から水が抜けるまでには数日かかり、その間、崖や土砂が崩れる危険性は高まる。降雨から時間がたって崩れることもある」と話す。

 その上で「いつもより多く崖から湧き水が出ていたり、道路にしみ出したりしているときは注意してほしい」と指摘。今回のような観光地では「現地の人たちも平時との違いに目を配ってほしい」と呼び掛ける。

 7月の総雨量は、九州北部の多くの地点でも平年の倍を超えている。気象台によると、25日までに福岡県大牟田市が1202・0ミリ(1カ月分の平年値373・5ミリ)、同県久留米市で1010・5ミリ(同329・4ミリ)と平年の3倍以上の雨量を観測。他にも佐賀市857・5ミリ(同338・5ミリ)▽熊本県湯前町1515・5ミリ(同589・9ミリ)▽大分県日田市975・5ミリ(同333・4ミリ)-などとなっている。各県で大量の水を含んだ地盤や岩盤が緩んでいる可能性があり、降雨が落ち着いていても注意する必要がある。 (森亮輔)

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