ゼロから「1強」に風穴を 来春ラグビー部創部の早稲田佐賀・山下監督

西日本新聞 佐賀版 入江 剛史

 早稲田佐賀高(佐賀県唐津市)が来春創部するラグビー部監督に就任した山下昂大さん(30)が本紙のインタビューに応じ、「ゼロから、1強の佐賀ラグビー界に風穴をあけたい」と語った。指導者を派遣するNPO法人の普及活動を支援し、全国大会に38年連続で出場する佐賀工を倒すチームづくりを目指す。

 -東福岡高で日本一となり、早大やトップチャレンジリーグのコカ・コーラでプレーし、昨季限りで引退。なぜ高校の指導者に。

 「多感な時期の人格形成に関われることにやりがいを感じ、高校生にラグビーを教えたいと思っていた。日本代表などの目標を掲げてきたが、年齢やパフォーマンスを鑑み、選手より指導者への情熱が上回った」

 -なぜ早稲田佐賀か。

 「東福岡高の藤田雄一郎監督から『いつか一緒にやろう』と言われ、藤田さんの次の監督は僕だろうと思っていた。だが、昨年8月ごろ早稲田佐賀からラグビー部監督の打診があった。その直後、藤田監督から東福岡コーチの話があったが、最後は僕の気持ちを尊重していただいた」

 -東福岡は全国トップレベル。迷いはなかったか。

 「どっちがやりたいかをてんびんにかけたら、断然、早稲田佐賀だった。強いチームを整えて日本一にすることは僕じゃなくてもできるのではと思った。今から何か価値を生み出すチームに魅力を感じた」

 -ワールドカップで人気が高まり、幼児や小学生の競技人口が増えたが、高校生の減少傾向は続く。どう部員を確保するか。

 「強化指定部ではないので、推薦入試では中学時代のラグビーの実績は評価されない。一般受験という高いハードルを越えてもらうのが条件。僕がゼロからの道を選んだように、1強を崩したい、自分が伝統をつくりたいという子どもたちに来てもらいたい」

 「姿勢と行動で目の前の人に勇気と感動を与えるのがチーム理念。選手の人間性は試合に表れるし、それを見た人に早稲田佐賀に行きたいと思ってほしい。生徒の5割が早大に入れる学校の魅力もある。1年目は20人ぐらい来てほしい」

 -6月の創部発表時、ラグビーが盛んな福岡の進学校を志望する生徒の選択肢になればという話もあった。福岡からラグビー経験者を集めるだけなら、さらなる普及につながらない。

 「佐賀でラグビー部が活動しているのは工業高の2校で、そこに早稲田佐賀という選択肢が生まれる。創部に合わせ、指導者や引率者を派遣するNPO法人を年度内に唐津に立ち上げ、裾野を広げようとする動きが出ている。これが成功すればモデルケースになる」

 「唐津ジュニアラグビークラブには中学部がないので、代表の方とも立ち上げましょうという話はしている。僕もNPO法人登録の指導者として、そこに関わる。学校の部活動にとどまらず、新たな形でラグビーの魅力を発信したい」

 -目標は。

 「1年生が来年入ったら3年間で闘える集団にして、佐賀工を倒したい。NPO法人との連携も含め、誰もやったことがないことなので、どうなるか分からない。ただ情熱ある人が集まっている実感があるので、見えない未来への不安より、わくわく感が大きい」

 (聞き手は入江剛史)

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