「二つ目」落語家、北九州に拠点 「古里でファン増やせ」師匠後押し

西日本新聞 社会面 宮原 勝彦

 落語協会(東京)に所属する若手落語家、橘家文太(本名川島幸平)さん(33)が近く、古里の北九州市八幡西区に拠点を移し、公演活動を始める。決断を後押ししたのは、師匠からの期待を込めた言葉だった。

 文太さんは、地元に引っ越して車を購入し、折りたたみ式の高座、座布団などを積んで、9月にも“出前落語会”を開く計画だ。「寄席の出演、稽古で東京には出掛けます」といい、九州と往復する日々が始まる。

 地元の塗装店に勤務後、24歳で上京。飲食店で働いていた27歳の頃、偶然通り掛かった寄席・末広亭で初めて落語を聞いた。橘家文蔵さん(当時は文左衛門)が「江戸っ子」を描いた話。けんかっ早く乱暴な口調ながら、優しく世話好きな一面を見せる人物の表現に「顔つきも古里の男衆」との印象を持ったという。

 当時、住んでいた東京都中野区で文蔵さんの独演会を改めて聴き心酔。「落語家になりたい、というより、この人のそばにいたい」と弟子入りした。

 5年半の修業を経て今年2月、「前座」から「二つ目」に昇進。その弟子に、師の文蔵さんが提案した。

 「九州でも落語会が増えている。古里に戻って落語をもっと広める活動をしたらどうだ」

 とはいえ、関東や関西と違い、九州に専用の演芸場はない。落語家には厳しい環境で力が試される。文太さんは「師匠の勧めと、古里への思いも重なり決断しました。東京で新しい噺(はなし)を稽古して、地元で披露したい」と意気込む。

 文蔵さんは「文太は、先輩からかわいがられる性格で地元でも愛されるはず。厳しい活動になるかもしれないが、落語ファンを増やし、東京から仲間を呼べるような存在になってほしい」とまな弟子の門出を応援する。出演依頼は、文太さんのホームページから。 (宮原勝彦)

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