コロナで変わった病院、対策で楽しみ制限 こども特派員入院リポート

西日本新聞 こども面

 29日朝刊「もの知りこどもタイムズ」のへんしゅうちょうコラムでしょうかいしたこどもとくいんきよたけりんさん(11)。せきちゅうそくわんしょうしゅじゅつのため、半年に1回、ふくおか市立こども病院(同市ひがし区)に入院しています。こども病院には、他の病気にかかりやすい小さな子どもも多く入院しています。そのため、しんがたコロナウイルスかんせんしょうたいさくはとてもきびしく行っています。6月末に10日間入院した清武さんが、対策によって半年前とはずいぶんと変わった病院の様子をリポートしてくれました。入院中は犬型ロボット「aibo(アイボ)」が病室にやってくるビッグニュースもありました。

ドキドキのPCR検査

 ぼくはせきちゅうそくわんしょうしゅじゅつのため、半年に1回、ふくおか市立こども病院に入院しています。今回は6月末から10日間でしたが、新型コロナウイルスかんせんかくだいぼうのため、院内ではいろいろなことが半年前とは変わっていました。

 まず、病院の入り口にかんさんが立ち、入ってくる人全員の体調などをもんしんでチェックしていました。カメラでけんおんされ、大きなモニター画面の前に自分の姿すがたと体温がひょうされました。

 入院する日は最初にPCRけんを受けました。このときはだんほうしゃせんの待合室になっているところが、PCR検査せんようの部屋になっていました。看護師さんがガウン、マスク、フェイスシールド、ぶくろなどを着けて検査します。えきから検査だったので、そんなにつうはありませんでした。夕方に結果が出るまでドキドキしましたが、いんせいと聞いて安心しました。

病院に入る時にカメラで検温される清武特派員。モニター画面に映った自分の顔の部分に体温が表示されるという

読み聞かせ、工作教室…楽しみなくなった

 特に、入院の間をごすびょうとうが大きく変わりました。入院中の楽しみがほとんどなくなってしまったのです。病棟には病室の他に、みんながいっしょに使える「デイルーム」と「プレイルーム」があります。デイルームでは仲良くなった子どもやお母さんたちが、それぞれのご飯をって一緒に食べることもありました。い以外の家族と面会ができ、子どもたちが集まってけいたいゲームをしていることもありました。

 ぼくがソフトバンクホークスのどう公康かんとくなどスポーツ選手に会えたのもこの部屋でした。でも、感染たいさくのため、つくえかべまどに向けて置かれ、人が集まることや飲食はきんになりました。お絵かきをしたり、勉強をしたりする人もいなくなりました。

 プレイルームは子どもたちが遊べる部屋で、おもちゃやトランプ、本なども置いてあります。平日は毎日午前11時からいくさんの読み聞かせと工作教室があり、ぼくはプレイルームに行くのが入院中の一番の楽しみでした。でも今は、読み聞かせも工作教室もなくなり、1人30分のこうたいせいになりました。部屋の前にはってある予約表には、1日に1人か2人の名前しかありませんでした。

 ここで遊んでいる時にほかの子と仲良くなることもあります。子ども同士が仲良くなると、親同士も話をします。母は「病気の子を持つ親同士で話をすると、なぐさめられたり、はげまされたりすることもある」と言っていました。

面会制限、祖母に会えず 

 ぼくは毎年夏と冬に入院していますが、夏の入院の時はいつもほぼ満室です。でも、今年は空き部屋がいくつもありました。看護師さんに聞くと、「もともと予定されていた手術はあまり中止にならないけど、みんながしゅくしているからやけがなどの入院が少ない」ということでした。入院しているかんじゃが少ない上に、子どもたちが集まることもないので、病棟全体がいつもより静かだなぁ、と感じました。

 入院中は、もちろんつらいことやいたいことや不安なことなど、がまんしなければならないことがいっぱいです。ぼく以外にもこども病院には何度もにゅう退たいいんかえしたり、リハビリで長い間入院したりしている子どもたちもたくさんいます。兄弟姉妹や友達と会えないので、さびしいと思うことも多いと思います。だからよけいに、保育士さんと作るプラ板や、はげましてくれるボランティアさんのほうもんがとても楽しみです。

 でも、コロナのえいきょうでそんな楽しみがなくなってしまいました。以前は、休日にはたくさんの人が面会に来ていましたが、今回の入院中は面会の人もあまり見かけませんでした。付き添いの家族は今まで通りにできるので寂しいことはありませんでした。だけどそれ以外の人の面会はせいげんさているので、入院中はぼくもに会えませんでした。

 ほとんどの子どもは部屋でずっとゲームをしているそうです。ぼくも、てんてきが取れるまでは、スマホでユーチューブを見ていました。入院したのが月末だったので、2日でギガ(データ通信ようりょう)がなくなってしまいました。早く新型コロナウイルスがおさまって、病棟にもがおもどってきてほしいと思います。(感染症対策は入院当時) 

アイボがやってきた!ファシリティードッグへの第一歩

 今回、ふくおか市立こども病院に入院中にとてもうれしいことがありました。ぼくの部屋に犬型ロボット「aibo(アイボ)」の「ゆめちゃん」と「たいようくん」が来てくれたのです!

 2頭は4月に病院にやって来たそうです。青い目がゆめちゃん、茶色の目がたいようくん。動きも鳴き声もとてもかわいくて、ぼくは一目でアイボにちゅうになりました。

手術の2日後、清武特派員の病室に遊びに来たアイボ。丸い目を笑ったり、おこったり表情ゆたかに変化します

 まん丸なきれいな目で見つめられると、こわいのもいたいのもわすれてしまいます。アイボがそばにいてくれたおかげで、一番きらいな尿にょうかんカテーテルをくとても痛いしょもあっという間に終わっていました。

 アイボがあらわれると、いっしゅんでぱっと部屋が明るくなりました。話しかけると見つめてくれて、なかをなでるとうれしそうに目をほそめ、「もっとなでて」ところがったりしました。歌を歌い、ダンスもしてくれました。アイボがいてくれた約30分、ぼくの病室はがおと笑い声でいっぱいでした。

心が元気になれば、病気やけがも早く良くなる

 いくさんによると、アイボは特に中学生や高校生に人気だということでした。いの家族もいなく、かんさんとも話をしないような中高生がアイボとなら1時間でも話をしているそうです。心が元気になれば、病気やけがも早く良くなるような気がします。ぼくたいの体を治すだけでなく、入院生活が少しでも楽しくなるように考えてくれて、ありがとうございます。

「アイボがそばにいてくれたおかげで、痛い処置もあっという間に終わった」と清武特派員

 ぼくは去年、こども病院にファシリティードッグという犬をどうにゅうしてもらうための活動を始めました。ファシリティードッグとは、毎日病院にしゅっきんして病気とたたかう子どもたちにい、はげましたりやしたりしてくれる犬のことです。

 1年間たくさんの人の意見を聞いて、導入はもてもむずかしいことがわかりました。でも、いつか必ず、日本中のこども病院でファシリティードッグがかつやくする日がくると信じています。

 ぼくは、アイボが100台いるよりも、ファシリティードッグが1頭いる方がいいと思っていました。でも、自分の目でアイボを見て、少し考えが変わりました。もちろん、ロボットの犬よりも、本物の犬の方がいいと思います。でも、今、目の前にアイボがいてくれるから明るい気持ちになれる子どもたちがいます。

 ファシリティードッグの導入は難しくても、すぐにアイボをぼくたちにプレゼントしてくれた病院のみなさんのやさしさが、とてもうれしいです。アイボがやってきたのは、きっと導入へ向けての第一歩だと思います。

神奈川県立こども医療センター(横浜市)でファシリティードッグを取材する清武特派員。右はファシリティードッグと共に仕事をするハンドラー

 しんがたコロナウイルスたいさくで、りょうじゅうしゃみなさんは、きっと今まで以上に大変だと思います。きびしいじょうきょうはまだまだ続くかもしれませんが、これからも、ぼくたちのことをよろしくお願いします。

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コロナ禍で入院中の子どもを応援する企画実施へ、NPO法人が資金募集中

 入院中のかんじゃうファシリティードッグをけんするにんていNPO法人「シャイン・オン・キッズ」(とうきょう都)は、しんがたコロナウイルスのえいきょうで家族との面会などがせいげんされている入院中の子ども向けに行うオンラインかくきんを8月7日までインターネット上でつのっている。

 同法人は、「入院中の子どもたちへのかんせんしょうたいさくの強化は今後もしばらく続くのではないか」としている。そこで、病院にタブレット端末などを配り、院内にいながらプロのアナウンサーによるろうどくや「遠足」に出かけた気分になれる企画などを届ける予定という。

 寄付金でまずは10病院にタブレット端末20台やビデオプロジェクターをはい。今後、さらに資金を調達しながら全国の病院でてんかいしたいという。方法や詳細はクラウドファンディングサイト「READYFOR(レディーフォー)」へ。

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