患者本位の医療サービスとは 連載・霹靂の日々【35】大島一樹

西日本新聞 くらし面

 オクサンの気管カニューレが外れて、分かったことが一つありました。今の慢性期病院に入院したものの、ほかの病院の情報を聞けば、問い合わせるようにしていました。やはりリハビリのある病院が安心だと思っていたからでした。

 以前に「どうぞ見学に来てください」と言われていた、とある病院がありました。ところが「先日、カニューレが外れました」と伝えた途端、「ご希望に添えません」との言葉。

 想像するしかありませんが、おそらく病院側の収入となる診療報酬の関係かと思われます。知人の医療関係者によると、カニューレを着けている患者には管理料として、診療報酬が月額数十万近く入るとのこと。そうではない患者は優先順位が低いということなのか…。手のひら返しに驚くほかありませんでした。

 病院もサービス業なので、当たり前なのかもしれません。しかし納得できない現実。病院を少し冷めた目で見るようになりました。

 本来は患者一人一人に向き合い、必要な治療や医療サービスを行うべきなのに、一律になって硬直している-。そんな風に映ります。医療体制の仕組みや診療報酬のシステムを構築してきたのは政治ですから、政治的に解決を図るべき問題ではないでしょうか。

 ただもちろん、自分や家族の命を、わけも分からず病院やお医者さんに丸投げすることは、やっぱり間違いだと感じています。

 (音楽プロデューサー、佐賀県みやき町)

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