野村被告が関与否定 元漁協組合長射殺【工藤会トップ裁判】

西日本新聞 社会面

 特定危険指定暴力団工藤会が関与したとされる市民襲撃4事件で、殺人などの罪に問われた会トップで総裁の野村悟被告(73)の被告人質問が31日、福岡地裁(足立勉裁判長)であった。野村被告は元漁協組合長射殺事件(1998年)を指示したかと問われ「(指示は)ありません」と関与を否定。被告が元組合長と接点があったとする複数の証言も「うそです」などと反論した。

 一連の市民襲撃事件で会トップの被告人質問は初めて。野村被告は黒っぽいスーツ姿で証言台のいすに座り、左耳に補聴器を付けて尋問に臨んだ。

 被告は元組合長との面識について「名前を聞いたことはあるが、会ったことはない」と説明。元組合長の長男は「野村被告らと会食したことがある」と証言したが、「(そのような事実は)一切ありません」と否定した。事件前、同会側が長男らに漁協利権への要求を強めたとされる点は「漁業のことなんか一切興味ないですね。接触を指示したこともない」と語った。

 検察側は、北九州市内で砂利事業参入を目指していた男性が被告から「砂利事業は元組合長が絡んでいるから大変ですよ。私どもは何も絡めない」と告げられたと主張している。男性らと会食した際のものとされる伝票を示されると、「一緒に食事をしたことはないし、料理が1人5千円は安すぎる。違う伝票やないですか」と疑問を呈した。

 元組幹部が過去に関与した事件について「野村被告の指示だった」と証言したことに関しても、「(指示は)ありません」と強調。元組幹部は、自らが持参した現金2千万円を被告が分配していたとも述べたが「子どもじみた漫画みたいな話。現金も受け取っていない」と語気を強めた。

 共に審理されている会ナンバー2の会長田上不美夫被告(64)との関係性にも触れ、「(田上被告は)真面目でみんなに信頼されていたし、裏切られたことはない。(現在も)私は信頼している」と述べた。

PR

社会 アクセスランキング

PR

注目のテーマ