古豪、ダークホースが躍進 コロナ禍の大分県高校野球大会

西日本新聞 大分・日田玖珠版 井中 恵仁

ノーシード津久見が快進撃

 2020大分県高校野球大会は、津久見がノーシードから快進撃を見せ、夏の大会としては32年ぶり13回目となる優勝を飾って、7月31日に閉幕した。16日間にわたり、43校の球児たちが熱戦を繰り広げた今大会。新型コロナウイルスの影響で十分な練習ができなかった上、甲子園での全国大会もない中で、今大会での勝利に向けてうまく気持ちを切り替えた古豪やダークホースが勝ち上がる結果となった。

 大会は、夏の全国高校野球選手権大分大会が中止になったことを受け、3年生の集大成の場であり1年間の練習の成果を発揮する場として、県高校野球連盟が開催。この状況から、3年生を多く起用するチームが目立った。

 昨秋の九州王者で、今大会でも本命とみられていた明豊も、そのひとつ。3年生全員の試合出場を目標に掲げ、選手たちは練習へのモチベーションを高めてきたが、うまく実戦感覚を取り戻せないままで、準々決勝で佐伯鶴城の主戦を打ち崩せずに敗退した。川崎絢平監督は、レギュラーを固定しなかったことで「一人一人の打席経験が減り、ボール感覚が鈍っていた」。

 明豊とともに今夏の交流試合に出場する大分商も初戦で日本文理大付に敗退。エースの川瀬堅斗主将(3年)は7月4日の練習試合で左足を故障。万全でない状態での登板だった。「(コロナで十分練習できなかった)3カ月は本当に長い」と振り返り、渡辺正雄監督は「試合に懸ける思いがうちは欠けていた」と語った。

 2年連続、夏の甲子園出場を果たしていた藤蔭も早々に姿を消した。

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 ノーシードから勝ち上がった津久見の藤丸崇監督は「切り替えが早いチームがナンバーワンになれる」と選手たちに言い聞かせて練習に臨み、大会でもチームを波に乗せた。薬師寺琳久主将(3年)も「独自大会の話を聞き、優勝して終わろうと気持ちを持っていけた」。投げ込み不足による投手の故障を懸念して守りは継投でしのぎ、相手のミスを見逃さない攻撃で栄冠をつかんだ。

 夏の大会としては創部以来初の準優勝を勝ち取った大分舞鶴も、勝負にこだわる気持ちの切り替えがうまくいった。安東和樹監督は「全力で戦わないと敗れるし、勝っても相手に申し訳ない」と、学年に関係なく選手を起用。朝6時半からバットを振る生活を1年間続けた安部聖冴選手(同)は「最後笑っていられるのがとても幸せ」。エースの新名凌馬主将(同)は「舞鶴らしい楽しい野球ができて良かった」とすがすがしい表情を見せた。

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 7月の記録的豪雨で甚大な被害を受けた地域の選手たちは懸命のプレーで古里を勇気づけた。日田林工の左藤優弥主将(同)は家のそばで土砂崩れがあり「被災した人に少しでも元気になってもらえればうれしい」と粘り強く戦い抜いた。

 大会では3密を避けるため、スタンドへの来場者は部員や保護者に限定された。マスク着用の上、間隔を確保して着席。アカペラで応援歌を歌い、色を塗ったペットボトルをたたいて音を鳴らし声援を送った。

(井中恵仁)

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