V長崎、練習拠点は諫早 ジャパネット社長が意向示す

西日本新聞 長崎・佐世保版 山本 敦文

大村を断念、継続使用へ

 サッカーJ2、V・ファーレン長崎の親会社ジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市)の高田旭人社長は1日、オンラインで記者会見を開き、同県大村市に新設する計画を断念した練習拠点について「今の形を継続したい」と述べ、諫早市のなごみの里運動公園を使う意向を示した。

 同社は2017年から18年にかけて、クラブが優先使用している諫早市所有の天然芝サッカー場の拡充を市に要望したが、交渉は決裂。練習拠点を誘致する自治体を公募し、大村市が名乗りを上げた経緯がある。

 高田社長は、新たな拠点の整備は「断念せざるを得ない」と改めて表明し、再公募の可能性を否定。選択肢はなごみの里公園しかないと言明した。

 今後、継続使用できるように諫早市と協議する。選手の練習環境向上のため、サッカー場の拡充を目指す方針で「こちらからこうしましょうとは言えないが、諫早市が協力していただけるのであれば、踏み込んだ投資を考える」と語った。

行政との溝埋まらず

 「アジア一の環境整備」(高田旭人社長)を掲げ、ジャパネットホールディングスが進めたV・ファーレン長崎の新たな練習拠点構想は振り出しに戻った。用地を持つ自治体と同社の意思決定を巡るギャップは、最後まで埋まらなかった。

 「行政に対する認識が不足していた」。高田社長は1日のオンライン記者会見で反省の言葉を口にした。

 一連の交渉でジャパネットが重視したのは「スピード感」。長崎市に新スタジアムができる2024年よりも早い時期の完成を目指した。誘致した大村市は当初、総合運動公園を想定していたが、ジャパネットは売却開始直前で更地だった工業団地を要求。財政負担を理由に市が断った後も、高田社長は園田裕史市長と話し合いを重ねて構想実現に突き進んだ。

 民間ならトップ同士の合意で方針が定まるが、自治体の意思決定は議会を含めた総合調整が必要だ。

 総合運動公園には別の競技団体が使っている施設があり、市が提示した練習拠点の完成時期は32年。同社のスピード重視の姿勢は市議会の反発を招いた。

 園田市長も7月30日の記者会見で「民間と行政の手続きに開きがあった」との認識を示した。プロスポーツチームを官民一体でどう支援するか。双方に教訓を残した。

(山本敦文)

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