子ども食堂の支援広がる 北九州市 新たな基金、寄付も急増

西日本新聞 北九州版 白波 宏野

 新型コロナウイルスの影響が長引く中、北九州市では子ども食堂への寄付や食料などの提供が増えている。子育て世帯の苦境を知った人や企業などが支援の手を差し伸べる一方、子ども食堂の新規オープンも相次いでいる。市は自ら各食堂の運営を支援し、個人や企業などの善意が継続的に届く体制の構築を目指している。

 「子ども食堂の取り組みは一層重要性を増している。支援をお願いしたい」

 7月15日、若松区のトマト生産会社「響灘菜園」などと、子ども食堂支援に関する協定を締結した同市の北橋健治市長は、こう強調した。

 響灘菜園は毎月トマト2千個を無償提供し、市内の食堂でつくる「子ども食堂ネットワーク北九州」が分配する。同社としては健全な食生活や正しい知識を子どもたちに身につけてもらう「食育」を促進する狙いもある。猪狩英之社長は「子どもの居場所づくりや食育に寄り添っていきたい」と話した。

 市などには寄付金や食料が続々と届けられている。

 5月には匿名で戸畑区の米店に約300キロ(10万円分)を注文し、市に寄付した人がいた。ほかにも企業などが米を提供し、4~6月だけで計約3・5トンが寄せられた。

 飲料や菓子などの提供は6月末時点で前年の5~6倍に増え、マスクや加工品も寄せられた。

 一律10万円の「特別定額給付金」を充てたとみられる寄付が4月以降、相次いだこともあり、寄付金はこれまでに約300万円に上る。市社会福祉協議会が7月1日に食堂支援のための基金を創設し、食堂運営団体に分配している。

 同ネットワークには7月末時点で30の食堂が加盟し、ボランティアの受け入れや食材の調達方法などの情報を提供し、食堂の新規開設のサポートにも取り組む。事務局機能は市子育て支援課が民間と共同で担っている。

 市によると、5月以降、3カ所の食堂が新たにオープンし、8月以降も3カ所の開設を予定している。

 資金や物資の提供を申し出た人の多くは市役所に連絡している。子育て支援課の長迫和宏子ども食堂係長は「市が食堂の運営を支援することで、支援する側の安心につながっている面もあるのでは。市民ともに『オール北九州』で子どもの居場所をつくっていきたい」と話している。

(白波宏野)

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