ゲーム障害予防、家族も学ぶ 子どもとの接し方、依存のメカニズム…

西日本新聞 社会面 小林 稔子

 スマートフォンやパソコンなどのオンラインゲームにのめり込み、日常生活に支障を来す「ゲーム障害」が関心を集める中、予防に向けた取り組みが注目されている。福岡市内では7月、当事者ではなく、家族向けの予防教育プログラムが開かれた。障害のメカニズムなどについて学ぶだけでなく、親同士が悩みを共有する場にもなっている。

 「不登校で、コミュニケーションがなかなかとれない」「自分が不在のときは家でゲームをやり続けるのでは」

 7月上旬、福岡市にあるゲーム依存などの回復施設「カウンセリングスペースやどりぎ」では、九州内から集まった小学1年から高校2年までの子どもを持つ保護者7人が悩みを打ち明け合った。

 カウンセリングなどを行うやどりぎでは、家族向けのプログラムは初。認知行動療法を基に、研究者と共同開発したオンライン学習システムを活用。7月中旬まで計4回実施し、毎回、事前課題を保護者に行ってもらった。家族向けの予防教育プログラムは全国的にも珍しいといい、複数の県外医療機関から参加を希望する連絡があったという。

 講師を務めた公認心理師のスタッフは、ゲーム障害の傾向について「人から認められる経験の乏しい子どもが多い」と指摘。「日常生活や学校でつらい思いをしている時に、ネットゲームで今まで受けたことのない称賛を受けると、そこに自分の価値を見いだしていく」と、心理的要因を説明する。

 その上で、(1)予防には家の手伝いやアルバイト、習い事などを通して現実の成功体験を積み重ねていくことが不可欠(2)親の接し方として、褒めてねぎらうことが大切-とした。

 公認心理師の谷川芳江さん(41)は「保護者の多くが自己評価が低く自分に厳しい。まずは自分の今までの努力をねぎらってほしい。そうすることが、子どもをねぎらうことの練習になる」と話す。

WHOが「依存症」と認定

 世界保健機関(WHO)は昨年、ゲーム障害を治療が必要な「依存症」と認定した。新型コロナウイルスが日本でも猛威を振るい始めた今年3月には、外出自粛が長期化し、子どもたちがゲーム障害に陥る発症リスクが高まっていると警鐘を鳴らしていた。

 消費者庁によると、全国の消費生活センターに寄せられるオンラインゲームの相談件数は年々増加。特に未成年者の課金に関する相談が多く、低年齢化が進んでいるという。

 「相談にはゲーム障害が疑われるケースが多い」(同庁消費者政策課)。相談員が医療機関や支援団体など適切な窓口を紹介できるよう、本年度中に相談員向けのマニュアル作成に着手し、対応を強化する方針だ。

 ゲーム障害に関する相談は、各自治体の精神保健福祉センターのほか、やどりぎ=092(409)5178=でも受け付けている。

 

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