作兵衛の紙芝居、絵本に 記憶遺産10年を記念 「命考えさせる本に」

西日本新聞 社会面 吉川 文敬

 福岡・筑豊地方の炭坑絵師、山本作兵衛(1892~1984)が描いた紙芝居「筑豊一代」の原画が、福岡市の出版社「石風社」から絵本として出版される。来年、作兵衛が表した記録画などが「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録され10年になるのを記念した。同社は「文章を再構成し、子どもから大人まで読んでもらえる絵本に仕上げたい」と意気込む。

 国際的イラストレーターの黒田征太郎さん(81)が7月に福岡県田川市の市美術館を訪ね、「筑豊一代」の原画を見学したのがきっかけ。「命を考えさせられる作品。ぜひ本にしたい」と同社に提案した。美術館によると、著作権管理者の作兵衛の親族も「作品を広めてもらうのは光栄」と同意しているという。

 「筑豊一代」は、作家王塚跣(おうつかせん)(1917~95)の同名小説がベース。1970年ごろ、同県宮若市に立つ「炭鉱犠牲者 復権の塔」の建設資金を募るため、元炭鉱労働者で牧師の服部団次郎(故人)が紙芝居化を発案、作兵衛に依頼した。黒田さんは「多くの人に読んでもらいたいし、私も全国で絵本の読み聞かせをしたい」と話した。 (吉川文敬)

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