作兵衛手がけた紙芝居「筑豊一代」レプリカ作成 小学校、図書館に寄付へ

西日本新聞 筑豊版 吉川 文敬

 今年60周年を迎えた田川ライオンズクラブ(LC、井上領平会長)は、炭坑絵師・山本作兵衛(1892~1984)が絵を担当した紙芝居「筑豊一代」のレプリカを作成し、市内の小学校や筑豊地域の公立図書館に寄付する方向で調整していることが3日、市関係者への取材で分かった。同LC関係者は「紙芝居は田川の宝。当時の筑豊炭田の様子を作兵衛さんの絵を通して、子どもたちに何かを感じてほしい」と話す。

 作兵衛が描いた紙芝居は今年、飯塚市で発見された。炭鉱での労働や暮らしを描いた記録画などが「世界の記憶」(世界記憶遺産)に登録されている作兵衛だが、紙芝居の存在はほとんど知られていなかった。

 紙芝居「筑豊一代」は、作家王塚跣(せん)の同名小説を基に描かれた。元炭鉱労働者で牧師でもあった服部団次郎氏(故人)が1970年ごろ、宮若市に立つ「炭鉱犠牲者 復権の塔」の建設資金を集めるため小説の紙芝居化を発案。20枚の絵の制作を作兵衛に依頼し、作兵衛は快諾したという。

 紙芝居の原本を管理する服部氏の次男信和さん(68)らが5日、田川市美術館に寄託することを受け、同館とクラブが連携。地元の子どもたちが紙芝居に気軽に触れて、地域史を身近に感じてもらおうとレプリカ化を企画した。レプリカは原画はそのままに、小学校用に文章を易しくしたものと、図書館用に原文そのままの2種類を制作する。

 同館によると、著作権管理者である作兵衛の親族の同意も取りつけたという。井上会長は「学ぶことの多い紙芝居なので、大人の方にもぜひ読んでほしい」と呼び掛けている。 (吉川文敬)

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