「すごい行動力」高校生が奮起 みんなの思い573枚をアートに

西日本新聞 ふくおか版 今井 知可子

 「#君の想いは自粛するな」-。新型コロナによる長い臨時休校中、全国の高校生がオンラインでこんなプロジェクトを始めた。「自粛期間が終わったらやりたいこと」や「自粛で気付いた自分の思い」を文字や絵にした作品を全国から募り、思いを並べたモザイク画にする。メンバーの1人、古賀市の古賀竟成館高3年の大倉万依さん(17)は「自分の学校でもやってみよう」と呼び掛け、同高校舎を描いたモザイク画を完成させた。大倉さんは「コロナを超えてつながる思いがある」と発信を続ける。

 プロジェクトは、全国の高校生30人超が参加する「#君の想いは自粛するな委員会」が実施。オンライン上で知り合った高校生たちが得意分野を生かしながら画像処理、広報など役割分担して企画運営している。

 大倉さんは5月初旬に委員会に参加した。買い物ひとつにも窮屈さを感じるような自粛生活。「コロナだからできない」と萎縮するのではなく、「これならできるよね」とアイデアを出し合い前に進もうとする仲間たちの姿勢にひかれた。

 委員会で作るモザイク画とは別に、学校独自の作品を作れないか。通常登校が始まるとすぐ、大倉さんは企画書を先生に提出した。全国の高校生有志によるプロジェクトの説明と、コロナを超える象徴としてのモザイク画を学校ぐるみで制作できないかという内容だ。企画書を受け取った先生たちも驚いたが、「生徒たちの達成感につながるのでは」と賛同して協力した。

 「コロナ(567)超え」を目標に作品を募り、生徒や教員から573枚が集まった。一枚一枚をスマートフォン撮影してデジタル化し、委員会の助けを得ながら縦3メートル、横4メートルの作品に仕上げた。校内に掲示されたモザイク画をよく見ると、「USJに行きたい」「笑顔で過ごせますように」「抱きつきたい」などのメッセージが見える。

   ◇   ◇

 大倉さんは学校での取り組みの第2弾として、文化祭や部活動の大会が中止になってしまった生徒たちを主役にした動画制作に取り組んでいる。校内で手伝ってくれる仲間も増えた。永吉虹華(ななか)さん(17)と梶原侑実さん(17)は、動画撮影スタッフとして協力する。「すごい行動力だなと思って見ていた。一緒に活動することができてうれしい」と2人は話す。

 7月末に取材した際は、吹奏楽部の演奏になぜか野球部員が交じっている不思議な場面の撮影中だった。動画編集は委員会メンバーで、岐阜東高(岐阜県)3年の小野雅崇さん(17)が行う。撮影を終えた大倉さんと永吉さんは早速、小野さんとオンラインで打ち合わせを始めた。8月中の動画完成を目指して、撮り直しを含めた入念な打ち合わせが続く。

 直接会ったことはない大倉さんと小野さんは、今では同じ目標を持つ大切な同志だ。「大倉さんの撮った動画を通じて古賀竟成館の生徒たちを見てきて、知らない学校に親近感を感じています」と小野さん。大倉さんは「コロナがなかったら、出会えなかった仲間たち。校内企画を実現させてくれた学校にも感謝しています」。高校生たちの思いの力が、新しい扉を開いていく。 (今井知可子)

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