IoT活用し「密」回避 コロナ対策で直方市が実証実験

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

「ものづくりの街」地元企業と連携

 IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)技術による地場企業の生産性や製品価値の向上に、福岡県直方市が取り組んでいる。その一環として、市内の企業が新型コロナウイルス感染症対策として開発した「非接触体温検出システム」などの実証実験を、行政の現場で企業と連携して進めている。

 IoTはセンサーやカメラ、無線通信機器などを組み込んだモノ同士がインターネットでつながり、情報をやりとりする仕組み。社会や個人の生活に大きな変革をもたらす可能性を持つ。「ものづくり」を伝統的な基幹産業とする同市は、2019年度にIoT活用に向けた企業や研究機関などとの連携を経済産業省が支援する「地方版IoT推進ラボ」に選定された。

 連携の最初の事例となる実証実験には、市内に本社を置く産業用電子機器製造のアドバンテックテクノロジーズ(石田隆裕社長)と取り組む。同社が開発したのは、AIの顔認証技術を応用し、赤外線カメラなどを使って自動検温を行い「密」を回避するシステム。

 イベント会場などで同時に最大30人の入場者の体温を瞬時に測定するほか、マスクの有無も判別。出入りする人数や検温結果も記録してデータ化し、会場の定数に応じて混雑状況をリアルタイムに分析できる。入場者の顔や体温なども画像やグラフ表示により視認でき、韓国や台湾、中国などの空港や商業施設などで稼働しているという。

 このシステムを利用して7月、1歳6カ月健診の会場で実証実験を3回行った。さらに、今月5、7日に小学校2校で登校時にも実施する。得られた知見を基に、同社はシステムの改善を図る一方、市は避難所や学校などでの感染抑制策の運用管理や現場スタッフの省人化などを研究、行政サービスの向上を目指す。

 市商工観光課は「ものづくりの根幹である技術をベースに、製品の付加価値を産み出す企業の戦略づくりのお手伝いができれば。市との連携から、企業と企業の連携への発展を期待したい」としている。

(安部裕視)

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