九州遺族代表ゼロ 広島の平和記念式典 高齢化、コロナが追い打ち

西日本新聞 社会面 西田 昌矢

 6日の広島市の平和記念式典に、47都道府県から1人ずつ招待される被爆者遺族代表の参列が過去最少の23人にとどまり、九州7県では初めてゼロになった。市の要請で遺族代表を推薦する被爆者団体は高齢化が進み、従来の仕組みの維持が困難になっている状況に、新型コロナウイルスが追い打ちを掛けた。

 各地の県原爆被害者団体協議会は高齢化が著しい。佐賀県の会員数は広島、長崎原爆で約300人に及ぶが、実際に活動しているのは数人。ここ10年では昨年だけ代表を推薦したといい、池田和友会長(90)は「動ける人が少なく、遺族に参加をお願いできない」と打ち明ける。

 福岡県は感染拡大を懸念して初めて推薦を見送った。被爆2世を含めて会員は高齢者が多く、南嘉久事務局長(73)は「高齢者は重症化しやすいので仕方がない」と語る。

 長崎県対馬市の被爆2世、上原久恵さん(72)は推薦の打診を受けたものの、感染を心配して断念。「2年前に亡くなった母親のために行きたかった」と残念がった。宮崎県は2年続けて、大分、熊本、鹿児島県は今年の推薦を見送った。

 福岡、佐賀、大分県は、9日にある長崎市の平和祈念式典にも遺族代表を推薦していない。広島市原爆被害対策部の担当者は「新型コロナの影響は今後も続くかもしれない。どうやって遺族の代表を招き、被爆地としてのメッセージを発していくかが課題になる」としている。 (西田昌矢)

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