「どうやって暮らせば」260人自宅戻れず 筑後豪雨1カ月

西日本新聞 筑後版 立山 和久 野村 大輔

 福岡県筑後地区に大きな被害をもたらした7月の記録的な豪雨。大雨特別警報が出た日から6日で1カ月となった。浸水で2人が亡くなった大牟田市では市職員が黙とう。市内には炎天下、浸水した自宅修復に追われる住民も見られたほか、いまだに自宅に戻れずホテルや市営住宅で暮らす人もいる。田畑が冠水被害を受けた久留米市では農家が復旧に向けて汗を流した。

 「1カ月たっても生活再建のめどは立たない。どうやって暮らしていけばいいのか…」。多くの家屋が浸水した大牟田市樋口町。82歳の男性は妻と2人で県営住宅に身を寄せながら、自宅を修理していた。冷蔵庫やテレビなど家財は使えなくなったが、買い替える経済的な余裕はない。「行政は救済策を示してほしい」。男性は声を振り絞った。

 同市によると、76世帯175人(3日現在)が公営住宅に一時入居しており、59世帯94人(6日現在)が小学校やホテルなどで避難生活を続けている。

 天領小学校では、2世帯5人が体育館のミーティングルームを借りているが、段ボール製の間仕切りと簡易ベッドがあるだけで、快適とは言いがたい。80歳の夫婦は浸水した自宅マンションの、別の部屋への転居が決まったという。「炎天下で荷物を移動させるのは大変だが、早く元の生活に戻りたい」と語った。

 同市の被害は3日現在で住宅全壊3戸、床上浸水1169件、床下683件に上るという。

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 ビニールハウスが建ち並ぶ久留米市北野町。コマツナなどのハウス約80棟が浸水した農園の従業員男性が後片付けに追われていた。倉庫脇に積み上げられた肥料は袋の中まで水がしみこみ、約40袋を廃棄するほかない。農地を元通りにするには土壌消毒が必要だが、1棟当たり数万円の費用が重くのしかかる。男性は「野菜を出荷できるのは早くても9月。(水害から)2か月間も収入がないなんて…」と肩を落とした。

 市によると、農地の被害は約2400ヘクタール、約16億2700万円に上り、さらに膨らむ見通しという。 (立山和久、野村大輔)

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