帰りたい、でもうつしたくない…8割が帰省「断念」 あな特アンケ

西日本新聞 社会面 大坪 拓也 豊福 幸子

福岡ナンバーの車「周囲の目が気になる」

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、お盆に帰省するのか、しないのか-。西日本新聞「あなたの特命取材班」が、無料通信アプリLINE(ライン)でつながる「あな特通信員」に聞いたところ、高齢者の感染の懸念などから帰省を見送る人が目立った。一方で「いつ会えるか分からない」「親の介護を手伝う」といった切実な事情から決行する人も。政府や都道府県の方針が一律ではない中で、惑いながら、それぞれに決断を下す。

 「祖母に一目会いたかったが…」。福岡県太宰府市の女性会社員(34)は佐賀市の80代の祖母を訪ねるか逡巡(しゅんじゅん)したが、母に止められて取りやめた。福岡県では「コロナ警報」が出たばかりで自らの判断は正しかったと思う。ただ、安倍晋三首相は6日、全国的に感染が拡大する中でも帰省自粛を求めなかった。「国民に判断を丸投げしているようだ」と釈然としない。

 小中高生の子どもがいる福岡県大刀洗町の男性(43)も「今年は孫の顔を見せないのが親孝行だ」と諦めた。大分県日田市の女性会社員(31)は「自分が感染すれば、帰省したのが悪いと言われる」。感染が広がる福岡市に暮らす女性看護師(47)も「福岡ナンバーの車で田舎に帰れば周りの目が気になる。心から楽しめない」とする。

 帰省しない人たちはテレビ電話やメールで両親や祖父母とつながるという。

 帰省を選んだ人も、迷いの中にある。長崎市の大学寮職員の女性(57)は昨年末に亡くなった父親の初盆のために福岡県柳川市に帰る。息子夫婦や弟の家族らと集うはずだったが、母親と自分、弟の3人に人数を絞った。「母は82歳。万が一があれば父に申し訳ない」

 「長崎県に暮らす両親を介護する姉を手伝いたい」という福岡県筑紫野市のタクシー運転手の男性(56)は抗体検査を受け、その結果次第で帰るつもり。母親が93歳で、自身も持病を抱える同県糸島市の女性(64)は「先が分からず、会えるときに会いたい」と長崎県で窓越しに顔を合わせる予定だ。

 多くの人はマスクや手洗いなど感染対策を徹底し、公共交通ではなく、自家用車を利用する。宴会を避け、日中だけ親戚と過ごしホテルに泊まる人もいる。

 帰省する人には、自粛を求めない政府の方針に一定の理解を示す声も少なくないが、「(政府の観光支援事業)『Go To トラベル』で旅行を推奨してるから整合性がとれないだけでは」「せめて有効な感染対策を出してほしい」など皮肉や注文もある。

 調査は4、5日に全国の通信員約1万2700人に行い、約1700人が回答した。「帰省しない」は78%、「帰省する」は14%、未定は8%だった。 (大坪拓也、豊福幸子)

   ×    ×

 このアンケートは、LINEで西日本新聞の友だち登録をしている「あな特通信員」を対象にした調査です。多様な方々の生の声を聞き取ることが目的で、無作為抽出で民意を把握する世論調査とは異なります。

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ