コロナ禍「一筋の光」共有したい 書家の結鶴さん初個展

西日本新聞 加茂川 雅仁

 国内外で活動する新進の書家、結鶴(ゆづる)さんの個展「ヒカリ」が7日、福岡市博多区上川端町の美術画廊410ギャラリーで始まった。コロナ禍で自粛が続く中、「芸術にできることは何か」と思い悩み、「一筋の光を共有してもらえるような作品」を目指したという。会場に近い福岡アジア美術館(同区下川端町)で開催中の「第7回躍動する現代作家展」では大作も展示している。

 山口県萩市出身で東京在住。東京学芸大(書道専攻)を卒業後、介護職などを経て、中高一貫校で書道の講師になった。

 授業で生徒たちに創作させてみて「自分はこんなに自由に書いたことがなかった」と気づいたという。そこで一念発起し、2013年から「人生を彩る、人と人を結んでいく書」をテーマに「書彩家」として活動。昨年、国立新美術館(東京)で開かれた「第6回躍動する現代作家展」で最優秀賞を受賞した。

 今年3月以降は、予定していた個展やイベントがすべて中止になり、一時は「自分が沈んでいく」「芸術が社会の役に立てるのだろうか」とふさぎ込んだ。そんな時、「第7回作家展」への出品の誘いがあり、訪れたことがある丘の風景が浮かんできた。

 「緩やかな丘の上に 風はそよ吹く キラリと光る ひとつのおもい 雲にのせ」

 結鶴さんにとって、発表の場があるということは一筋の光だった。自作の詩を約1カ月かけて書に仕上げ、作家展と同時期に福岡市で初の個展を開くことを決めたという。

 タイトルは「遥か」。結鶴さんは「嫌なことは忘れて、ふんわりと雲間を漂う気分になってもらえれば」と思いを語る。

 福岡アジア美術館で開催中の作家展の作品は、横3メートルの大作。「自在」という書の前に、象形文字などで「心」を書いたガラス板が浮かんでいる。

 個展は12日まで(午前11時~午後7時、最終日は午後6時まで)。入場無料。410ギャラリーは上川端町11の8「川端中央ビル」4階(川端通商店街「お仏壇のはせがわ」正面のビル)=092(982)0410。来場多数の場合は入場制限あり。福岡アジア美術館の作家展は11日まで。(加茂川雅仁)

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