『哀しい運命の人々 二日市保養所』 大津誠一郎 著 (文芸社・539円)

西日本新聞 くらし面

 終戦時、博多港に引き揚げの途上、乱暴されて妊娠した女性数百人が中絶手術を受けたとされる実在の施設、二日市保養所(現在の福岡県筑紫野市)をめぐる創作短編。女性たちが味わった性被害の深刻さ、堕胎罪があるなか、医師たちが非合法だった中絶手術にあえて踏み切ったことなど、おおむね事実を踏まえて書いてある。医師の一人が口にする「戦争の残酷な体験をした人達がいなくなり世代が変われば、又同じ様な争いをおこすかも知れないね」とのせりふが重く響く。著者は同市在住。

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