帰りたくても帰れない…国会議員の夏 「帰ってこなくていい」の声も

西日本新聞 総合面 郷 達也 川口 安子

盆の会合中止、街頭で声出さず…

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、国会議員も静かなお盆休みを迎えている。例年なら、人出が多い地元の夏祭りや街頭などに出向いて精力的に顔を売るが、今年はイベントが軒並み中止に。そもそも積極的に有権者に接触したり、声を掛けたりすることもはばかられる。地元に帰省はするものの、そこでどう活動すべきなのか頭を抱えている。

 「コロナの影響で家族葬になり、ご葬儀に行けなかった方の所へお参りさせていただければと思っている」。自民党の衛藤征士郎衆院議員(大分2区)は例年この時期に、地元で後援会の会合などを開いているが、今年は中止した。「静かなお盆になる」と語る。

 立憲民主党の大串博志衆院議員(佐賀2区)は昨年7月に亡くなった母の初盆のために帰省。議員としての活動は、新型コロナで困っている事業者への対応などにとどめる。つじ立ちも行うが声は出さず、手を振るぐらいという。「元気な姿を見せないといけないが、にぎにぎしくやるのは控える」

 国会議員たちが平日に過ごす東京は、全国で感染者が最も多い地域だ。今月5日に自民の各派閥の事務総長が集まった会議では、出席者から「『地元回りとかしないでいいから、東京から帰ってこなくていい』と、地元から言われた」との声も出たという。ただ、お盆の帰省について政府は国民に自粛を求めておらず、国会議員もそれぞれの判断に委ねられている。

 国会議員の帰省を巡っては、政府の緊急事態宣言が出された4月、自民が党所属国会議員に幹事長通知を出し、地元選挙区に戻っての政治活動を控えるよう要請した。5月の宣言解除後も、この要請を2度にわたり継続したが、県境をまたぐ移動の自粛要請が全面解除された6月19日に解いた。お盆時期に関しては、こうした要請をしておらず、立憲や国民民主党も同様の対応を取っている。

 一方、国会議員には、7月の豪雨からの復興という喫緊の課題への対応もある。被害が大きかった福岡県大牟田市などが地盤の自民の藤丸敏衆院議員(福岡7区)は7日、衆院災害対策特別委員会の委員派遣で熊本県を視察後、地元へ。感染防止のため秘書も連れず、1人で被災地域を一軒一軒歩いて回る予定という。

選挙の時だけ?

 自民関係者は「新型コロナで対応は難しいが、議員が地元の生の声を聞かないと『選挙の時だけ』って言われてしまう」と悩ましげに話す。

 (郷達也、川口安子)

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