タイムカプセル開封を来年に延期 非核と平和願って埋設、太宰府市

西日本新聞 ふくおか都市圏版 上野 洋光

 23年前に核兵器のない平和な世界を願うメッセージとともに福岡県太宰府市内に埋められたタイムカプセルの開封が、戦後75年を迎えた「長崎原爆の日」(9日)に計画されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で来年に持ち越された。

 カプセルを埋設したのは太宰府市観世音寺の中央公民館に隣接する露切公園。柱状の石碑(高さ約50センチ)があり、表に「非核と平和 タイムカプセル 埋蔵 2020年8月9日午前11時2分開く」と刻まれている。その下約1・2メートルの地中にステンレス製のカプセル(直径約30センチ、高さ約80センチ)が埋まっている。

 カプセルは筑紫・朝倉地区で初めて開かれた「第10回県非核と平和のつどい」の企画だった。つどいは1997年7月20、21日に開かれ、延べ約1700人が参加。呼び掛け人には当時の太宰府市や周辺自治体の首長、大学教授らが名を連ね、運営委員会に作家や主婦たち100人余りが関わった。

 カプセルの中には、核廃絶を希求する心を持ち続けようと、約千人が参加券の裏面に記した平和へのメッセージを封入。女優の吉永小百合さんが寄せたメッセージを録音したテープも納めて、つどいの1週間後に埋められた。

 9日にカプセルを開き、報告会や講演会を催す予定だったが、コロナ禍で多くの人が集まることができないため、公園を管理する太宰府市にカプセル埋設許可の延長を申し入れ、了承された。

 元太宰府市議で事務局の武藤哲志さん(75)は「当時は2020年には核兵器が廃絶されていると思っていたが、状況はより悪化した」と指摘。核兵器の開発や保有などを全面的に禁止する「核兵器禁止条約」が国連で採択されたものの、唯一の被爆国日本が批准していないことを批判して「一番先に批准するべきなのに…。今後も政府により強く問い続けていかなければならない」と話した。

(上野洋光)

 

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