宮崎県は今月27日で、牛や豚約30万頭が犠牲になった・・・

西日本新聞 社会面 山口 信一

 宮崎県は今月27日で、牛や豚約30万頭が犠牲になった家畜伝染病「口蹄疫(こうていえき)」の終息宣言から10年になる。もちろん人と家畜の命の重さは違う。だが、目に見えないウイルスとの消耗戦だった点は、現在の新型コロナと同じだ。

 当時の取材ノートをめくると、防疫作業に明け暮れる畜産農家の苦闘が浮かぶ。畜舎では毎日、柱から液が滴るほど消毒を重ね、繰り返し家畜を検温して体調を確かめた。家族内で牛の世話役と外回り役を完全に分け、前者の外出を禁じた例も。こちらもウイルスを持ち込まぬよう、電話取材を中心に話を聞いたり、カメラを預けて牛や豚の写真を撮ってもらったりした。

 「今、一番大切なのは農家を安心させること。『早く終息させるためにこうする』という、国や県の方針を聞きたいんだ」。ノートにはこんな不満の声も。「農家」を「国民」に置き換えれば、そのままコロナに当てはまる気がするのだが。 (山口信一)

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