片付け「もう、くたびれた」流出した鉄橋そのままに

西日本新聞 大分・日田玖珠版 稲田 二郎

記者が歩いた被災地 九重町

 民家があった場所は更地になっている。7月の記録的豪雨で、大分県九重町の中でも大きな被害が出た野上地区。地域を流れる野上川沿いの民家にはもう人は住めず、8月はじめに2棟が撤去された。

 野上川では豪雨によって濁流とともに大量の流木があり、地区の寺田橋に引っ掛かった木々が堰(せき)となり、あふれた水が住家のある地域へ流れ込んだ。

 藤澤幸江さん(74)が経営する飲食店も床上浸水した。親戚などに加勢してもらって後片付けをしたが「床を拭いても拭いても、泥で白くなるんよ。もう、くたびれたわ」。店は7月中旬になんとか開けた。「お客さんは農家の人が多いんだけど、田んぼに泥が入ってどうしようもないとか、そんな話ばっかり」。明るく飲もうという雰囲気では、まだない。

 九重町では全壊7棟、半壊76棟、一部損壊93棟の被害があり、町営住宅に10世帯24人が身を寄せるほか、親戚宅に間借りしている家族もいる。JR久大線の鉄橋も流され、そのままの状態になっている。

 「業者が足りなくて、後片付けもよくできてない家がある」と藤澤さん。野上川は土砂の堆積によって川底が上がっており、台風シーズンを見据え、氾濫への不安は消えない。 (稲田二郎)

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