豪雨で流入? 佐賀の港に大量の土砂 ノリ漁航行に不安

西日本新聞 佐賀版 金子 晋輔

 佐賀市川副町の戸ケ里漁港内を流れる早津江川に大量の土砂の塊が突然現れ、漁業者を悩ませている。9月からノリ漁の作業が始まるが、漁船の航行に支障を来す恐れがある。県有明海漁協は早期撤去を望むものの、河川管理者の国は撤去の必要性を調べると慎重な姿勢で、漁港管理者の佐賀市は市の管轄区域外で撤去できないとの立場。膠着(こうちゃく)事態を改善しようと、県が調整に乗り出した。

 早津江川は筑後川の支流。県によると、土砂が確認されたのは記録的豪雨後の7月下旬で、災害で生じた土砂が筑後川上流から流れ込んだ可能性が高い。漁港内の大詫間地区と戸ケ里地区の間に帯状に伸び、干潮時は中州として現れる。農業用水路からの排水が注ぎ込む位置に堆積しており、早津江川と排水がぶつかる場所にたまったとみられる。

 漁協によると、土砂は約500メートルにわたって堆積しており、確認当初より広がっているという。水深も浅くなり、漁業者からは漁船の航行に不安の声が上がる。漁協南川副支所の田中浩人運営委員長は「3年前の九州豪雨の時にはできなかった。このままでは船が通れず、漁ができない」と表情を曇らせる。

 ただ撤去は容易ではない。早津江川を管理する筑後川河川事務所諸富出張所は「土砂は川をせき止めておらず、まずは測量した上で撤去の必要性を判断したい」とする。船と航空機での調査に着手したが、9月末までかかる見通しだ。

 佐賀市水産振興課によると、市が管轄する岸壁や漁船の停泊エリアなどであれば撤去できるが、今回はどれにも該当しないという。担当者は「国は『市の事業でできないか』と言うが無理な話。河川は国の責任のはずだ」と困惑する。

 土砂があるエリアは南川副、早津江、大詫間、諸富の漁協4支所が使う航路。ノリ漁が本格化する10月からは300隻近い船が夜間も行き交う。4支所の生産量、販売額は漁協全体の約4割を占めるため「土砂は漁協全体の死活問題」(漁業者)につながる。

 縦割り行政の弊害に悩む漁協は6日、県庁で山口祥義知事に早期撤去への協力を要望。山口知事は「ノリ漁期に間に合うよう全力で取り組む」と述べ、県として調整に乗り出す方針を示した。

 (金子晋輔)

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