自民・石破氏 故吉田氏に総裁選リベンジを誓う

西日本新聞 総合面 湯之前 八州

長野県で講演

 自民党の石破茂元幹事長は8日、昨年10月に死去した吉田博美前参院幹事長の初盆に合わせ、吉田氏の地元の長野県で講演した。吉田氏は2018年の前回総裁選で石破氏「善戦」の原動力となった人物。故人に次期総裁選でのリベンジを誓った石破氏だが、課題の党内基盤の弱さは克服されず、周辺からは焦りの声も上がる。

 「『閣僚に』と声が掛かっても他に譲り、大勢から感謝される、まれな政治家だった」。8日午後、長野県喬木村のスポーツ施設。登壇した石破氏は、吉田氏の支援者ら約100人を前に故人をしのんだ。

 同日午前には同県松川町にある吉田氏の事務所前で手を合わせ、7日には東京都内で墓参。「未来永劫(えいごう)続く政権はない。一昨年よりもさらに国家国民、党のために役に立てる自分であらねばならない」と記者団に語り、次期総裁選への意欲をにじませた。

 吉田氏は参院自民を束ねる「ドン」と呼ばれた。安倍晋三首相に近かったが、18年9月の総裁選では、先代の「ドン」である自民党の青木幹雄元参院議員会長の意向を受け、所属する竹下派参院側を石破氏支持でまとめた。石破氏の国会議員票は73票。石破派中堅議員は「みっともない票だったら『ポスト安倍』の資格を失っていた」と吉田氏への恩義を口にする。

 それから2年。首相の求心力が低下する中、世論の期待を背景に石破氏は存在感を維持。石破氏を「期待の星の一人だ」と持ち上げた二階俊博幹事長に続き、菅義偉官房長官も7日、「総裁候補に名乗りを上げるということは(党内で)そういう評価をされているのではないか」と発言した。

 ただ党内基盤の弱さは隠せない。今回の墓参や講演でも、石破派幹部が竹下派参院側に同席を打診したが断られた。竹下派参院側幹部は「竹下派には茂木敏充外相ら『ポスト安倍』候補もいる。現段階で一緒には動けない」と手厳しい。

 最大のライバルと目される岸田文雄政調会長は、麻生太郎副総理兼財務相ら実力者との会食を着々と重ねる。「党内の支持拡大に一層力を入れなければ置いていかれる。もう吉田さんはいないのだから」。石破派のベテラン議員は焦りを募らせる。 (湯之前八州)

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