特別支援学校寄宿舎「新しい生活」模索 風呂、食事密着避ける

西日本新聞 筑後版 丹村 智子

 新型コロナウイルスの感染拡大以降、共同生活を送る各施設で感染リスク軽減の取り組みが続く。筑後特別支援学校(福岡県筑後市)の寄宿舎でも、さまざまな工夫が行われているほか、近い将来、社会に羽ばたく生徒らに「新しい生活様式」を身につけてもらう取り組みが試みられている。

 7月29日午後5時半前、夕食の時間とともに、寄宿舎の食堂前に生徒が並んだ。入り口横にある洗面台で一人ずつ手を洗い、自分のハンカチで拭いた手をさらに消毒。目の前に仕切り板が置かれた食卓に着いた。この日、配膳係も務めた高等部3年の女子生徒は「手をよく洗ったり、人と距離をとったりするなどコロナ対策には慣れました」と落ち着いた様子でこなした。

 同校の寄宿舎は、休校明けの6月から、42人の定員を応急的に半分に減らして再開した。3人部屋を1人もしくは2人で使うようにし、現在は筑後地区の中学3年から高校3年生までの男女22人が生活している。

 風呂は密集しないよう班ごとに分けて入り、共有していたせっけんも各自が用意して名前を書いたケースに収納するようにした。寄宿舎指導員の古賀裕司さん(49)は「生徒の安全を預かる身として模索してきた。生徒にとっては集団生活の中で公衆衛生を学ぶ機会と捉えている」と話す。

 再開当初は食堂に一人用の学習机を一方向に並べて黙々と食事を取っていたが、市内のメーカーから寄贈を受けた仕切り板を導入すると同時に対面型の食卓に戻した。「予防策をとりつつ互いの顔も見えるようになり、生徒の表情が明るくなった」と古賀さんも胸をなで下ろしている。

 障害者にとって、寄宿舎生活を送ることはメリットが大きいという。中田雅子校長によると、入居を希望する理由の一つが「社会性が身につき、卒業後の離職率が低いと言われている」ことだ。規則正しい生活習慣と集団生活が、社会に出るための大事なステップになっているという。

 そのため、8月25日に始まる2学期からは通常の定員42人に戻す予定だ。感染者が増加する中で、中田校長は「様子を見ながらの判断になるが、食事も交代制にするなど対策を取り、日々の健康管理を大切にしながら再開したい」と話している。 (丹村智子)

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