喜界島彩る「特攻花」人間の過ち語る 大刀洗で絵画展

西日本新聞 ふくおか都市圏版 横山 太郎

 鹿児島県・喜界島に咲くテンニンギクの異名「特攻花」を描き続ける画家の横山忠正さん(69)=東京都在住=の作品展「大空に散った魂が天人菊となってよみがえる-特攻花」が福岡県筑前町高田の大刀洗平和記念館で開かれている。横山さんは「特攻花は人間が犯した過ちを語りかけている。作品を通じて戦争の生き証人の叫びを感じ取ってほしい」と願っている。

 記念館によると太平洋戦争末期、特攻隊の中継基地だった喜界島では、出撃する若い隊員たちに島の女性たちがテンニンギクを贈ったことから、いつしか「特攻花」と呼ばれるようになったという。花は旧海軍の飛行場だった喜界空港の周辺に根付き、戦後75年を迎える現在も美しく咲き誇っている。

 世界中の「花の肖像画」を描いていた横山さんは友人から特攻花のことを伝え聞き、2017年に島を訪問。歴史を学んだ上で絵を制作し始めた。海と空を背景にした一輪挿しの特攻花。「隊員が見たであろう空や海、月などを感じ取り、花が語りかける言葉をキャンバスに落とし込んできた」。隊員一人一人の複雑な心境を色やタッチで表現している。

 会場には油絵30点を展示。このほか喜界町から借りた島の歴史を紹介するパネル、奄美群島の日本復帰を祝う横断幕、米軍統治下の南西諸島で流通した通貨「B型軍票」など貴重な品々も合わせて紹介する。

 横山さんは「平和のシンボルとして特攻花が存在することを伝えていきたい。過ちを二度と繰り返さず、平和な未来を実現するためにはどうすればいいのかを考えるきっかけにしてほしい」と話す。

 会期は30日まで、午前9時~午後5時。入館料は大人600円、高校生500円、小中学生400円。記念館=0946(23)1227。 (横山太郎)

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