“被災”焼酎3000本販売へ ラベル貼り替え 人吉市・大和一酒造元

西日本新聞 熊本版 中村 太郎

 ボランティアが協力

 7月の記録的豪雨で浸水被害を受けた熊本県人吉市下林町の焼酎蔵「大和一酒造元」が、瓶が割れずに中身が無事だった一升瓶約3千本分の球磨焼酎の販売に乗り出す。泥にまみれたあの日から1カ月余り。小さな蔵元は、ボランティアの支えも受けながら復旧へ一歩ずつ進んでいる。

 先月4日の豪雨で蔵は約3メートル浸水し、原酒約2万リットルが流失。こうじを作る明治期の麹室(こうじむろ)も壊滅的な被害を受けた。一方、瓶詰めを終えて出荷前の焼酎約3千本は泥水をかぶったものの、瓶に傷はなく中身も無事だった。社員やボランティアが約2週間前から、蔵で湧出する50度の温泉水を使って汚れたラベルをはがし、井戸水で丁寧に洗い直してアルコール消毒。今月1日から新しいラベルに貼り替える作業を始めた。

 今回販売するのは、原料に牛乳を使った看板商品「牛乳焼酎 牧場の夢」など6種類。貼り直したラベルには「2020年7月4日 九州南部豪雨被災商品」と表示し、いずれも定価で販売する。県内や関東などの一部の酒店で取り扱うほか、同社への注文にも応じる。ラベルを貼り終えた商品から順次発送する。

 同社は社員わずか4人の家族経営。被災直後から10~30人のボランティアが連日訪れ、泥出しや被災商品の出荷準備に汗を流す。下田文仁社長(53)は「この1カ月を振り返ると『感謝』の2文字しかない」と語る。

 今後、タンクや麹室の修理を進め、今秋の仕込み再開を目指す。下田社長は「うちの焼酎を待ってくれる人がいる。こんな時だからこそ、商品名のように『夢』を持って進みたい」と力を込めた。 (中村太郎)

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