自主夜間中学再開 福岡市の「よみかき教室」4カ月ぶり 感染対策徹底

西日本新聞 ふくおか版 松永 圭造ウィリアム

 新型コロナウイルスの影響で休校していた、福岡市博多区の自主夜間中学「よみかき教室」がこのほど、4カ月ぶりに授業を再開させた。戦後の混乱期に十分な学校教育を受けられなかった在日コリアンや日本語が不自由な外国人から「みんなと学びたい」との声が多く寄せられていた。学校側は感染対策を徹底した上で期待に応えたい考えだ。

 7月22日夜、同区の千代中学校。明かりがともった夜の教室で生徒6人が漢字の書き取りや算数の問題集を机に広げ、スタッフが隣に座ってマンツーマンで指導していた。「『二』という字はどう読むんですか」「数字の2。英語のツーだよ」

 コロナの流行を受けて、2月末から週2回の授業を休止していたが、7月8日から再開。感染対策として、生徒とスタッフは入室前に検温をして手を消毒。マスクとフェースシールドも着用し、生徒同士の席の距離を2メートルほど空けることにした。同教室の大塚正純共同代表(67)は「高齢の生徒も多いだけに、念入りに対策をしている」と説明する。

 児童福祉施設で育った女性(62)は算数を学び直そうと2年前から教室に通っており、「休校中は四苦八苦して自習していた。先生のありがたみを感じた」。6年前にフィリピンから来日し、日本人と結婚した女性は「子どもが通っている学校からの書類が読めるようになりたい」と語った。

 同教室は1997年5月に開設。小中学校の元教諭や大学教授ら約30人が手弁当で運営しており、生徒約15人が通っている。大塚共同代表は「義務教育を十分に受けられなかった人にとって、この学校はよりどころ。これからも寄り添っていきたい」と力を込めた。

 県内には他に自主夜間中学が二つあり、北九州市小倉南区の夜間中学では7月16日に再開。同市八幡西区の夜間中学でも再開に向けて準備している。

(松永圭造ウィリアム)

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