「コロナニモマケヌ」交流 ポスターが縁 苅田と小樽図書館がコラボ

西日本新聞 北九州版 石黒 雅史

 蔵書や地域の魅力 互いにPR

 福岡県苅田町立図書館の一角に、なぜか北海道小樽市の関連図書や観光パンフレットを展示するコーナーが登場した。実は、市立小樽図書館とのコラボ展示。互いの蔵書を貸し出し、相手の地で魅力をPRする企画だ。交流のきっかけは、新型コロナウイルス感染対策のポスターだった。

 最初のポスターは、感染拡大の度に休館を余儀なくされた小樽市総合博物館が製作したものだ。6月、宮沢賢治の童話「注文の多い料理店」に似せた文章で、熱などの症状があれば入館しないよう呼び掛けた。

 これを知り、感銘を受けた苅田町立図書館の逆井健館長(53)は「アイデアを使わせて」と博物館に連絡。快諾を得て早速「注文の多い図書館」のポスターを作り、マスク着用や連絡先カード記入、2メートル間隔、滞在60分以内など、入館者に細かく注文した。

 逆井館長は返礼に、小樽市と苅田町の夜景写真を並べたポスターを自作して博物館に贈った。ポスターには「雨ニモマケズ 風ニモマケズ…コロナニモマケヌ…サウイフ館ニ ワタシタチハナリタイ」と記した。ポスター製作やキャッチコピーは元タウン誌編集長、逆井館長の得意分野だ。

 喜んだ小樽の博物館長が小樽図書館に交流を呼び掛け、両市町の図書館がつながった。苅田町からは、町などを舞台にした故佐木隆三さんの小説「復讐(ふくしゅう)するは我にあり」や、町出身のバドミントンオリンピアン潮田玲子さんの関連本など約40冊を送った。小樽図書館の鈴木浩一館長は「遠いイメージを持つ互いの距離が少しでも縮まるよう、苅田町のことを紹介したい」と話す。

 苅田町立図書館は、小樽から届いた写真集や人気漫画「ゴールデンカムイ」など約70冊を並べた(閲覧のみ)。すぐ横には「小樽観光情報窓口出張所」の看板を掲げ、小樽の観光パンフ類を並べた。28日まで。

 小樽図書館の開館は1916(大正5)年。今年30周年の苅田との交流を、逆井館長は「歳の差74歳の初デート」のキャッチコピーでポスターにした。「思わぬところから大先輩と交流が生まれ、ありがたい。小樽のように、長く愛される図書館にしたいですね」と語った。 (石黒雅史)

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