バス停を憩いの場に バー改築し私設待合所 CFで資金募る 直方市

西日本新聞 筑豊版 安部 裕視

 「バス停を人々が憩い、出会う場所に」と、福岡県直方市の古町商店街でイベントスペース&バー「Bouton」を営む清水舞子さん(44)と永久真弓さん(40)が私設の待合所を造る計画を進めている。JRバス殿町停留所そばにある店舗の一部を改築する「machiai(待合)プロジェクト」。クラウドファンディング(CF)で資金づくりへの協力を呼び掛けている。

 空き店舗を改装し、2018年4月に店を開いてから2年余り。2人は朝に昼に夜にと、殿町バス停を利用する人々を見てきた。「バス停がこのまちで生活する人々の日々の一部になっていることに気づいた」と清水さん。その上で「『椅子があったらいいな』とか、『雨の日は屋根があれば』などと考えるようになった」という。

 オープン2周年記念としてプロジェクトを進める計画だったが、新型コロナウイルス感染症が拡大。模索を続ける中で「今やるべきだ」と思い至った。永久さんは「バスを待つためだけでなく、誰かと誰かが出会う場所、人が寄り合って腰を下ろす場所。コロナ禍でも、そんな空間があってもいいのでは」と提案する。扉も窓もない、歩道に開かれた空間だ。

 2人は「さまざまな人が集まる小さなまち」を目指して店を開き、人と人、人とまちをつなぐ活動に取り組んできた。古町商店街と県道467号が交差する位置に店はあり、JR直方駅と宮若市若宮地区やJR博多駅を結ぶ路線バスが県道を走る。

 CFは「購入型」。工事費100万円が目標で、店とゆかりのあるアーティストや作家らの作品をリターン(寄付のお返し)品として用意している。コロナの影響で発表や表現の機会が損なわれており、彼らへの支援の思いも込める。

 福岡市で活動するギタリストの遠山八音(やおと)さん(42)は、永久さんが曲名を提案した新曲のCD「深碧(しんぺき)の角笛」を提供した。「コロナ禍で人と人のつながりが薄れ、活動する範囲が狭まっている。出会いや関係が生まれる場所ができることは、今だからこそ大事」とプロジェクトに共鳴する。

 CFサイト「CAMPFIRE」で31日まで協力を募り、10月末頃の完成を目指す。 (安部裕視)

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