「5G」活用の無人工事実証へ 長崎・雲仙で災害復旧想定、国交省

複数の重機を遠隔操作

 国土交通省は、災害復旧現場の危険地域などで活用している無人工事の技術を高速大容量の第5世代移動通信システム(5G)に対応させるため、長崎県の雲仙・普賢岳で実証実験に乗り出す。作業効率などを検証し、将来は人手不足が深刻化する一般工事にも無人技術を導入したい考え。多数の重機を同時に遠隔操作できるようになることで、二次災害の恐れがある工事などを安全かつ迅速に進められることが期待される。

 実験は2021年度前半にも始める予定で、東京など遠隔地から多数のショベルカーなどを同時に操作することを想定。5Gで現場の高画質映像をほぼリアルタイムで受信でき、仮想現実(VR)システムによる音や振動を感じながらの遠隔操作も可能になるため、作業の効率的な進め方などを確認する。具体的な手法は今後詰め、参画する企業を公募する。

 無人工事は現在も山間部の災害現場などで導入されているが、従来の通信システムでは情報伝達に時差が生じるため正確な操作が難しい。作業員が現場付近にいないと制御できないなどの課題もあるが、国交省は5Gで解決できる可能性があるとみている。

 新技術が、人手不足の解決策となることも期待される。国交省によると、建設現場に携わる技能労働者は23年に約21万人が不足する見通し。国交省は実証実験を重ねて無人工事のガイドラインを作成し、一般工事での導入も後押ししたい考えだ。

 普賢岳は1990年代の噴火災害時に無人工事が初めて行われた地で、土砂掘削などの実験に適していると判断したという。

(森井徹)

【無人工事】ショベルカーやブルドーザーなど重機を遠隔操作する技術で、雲仙・普賢岳の噴火災害を機にメーカーや大手ゼネコンも参画して技術開発が進む。地震や豪雨の被害を受けた山間地など、二次災害の危険があって人が立ち入れない地域で活用されている。2016年の熊本地震では熊本県南阿蘇村の大規模な土砂崩落現場の復旧に使われた。土木建設業界では「無人化施工技術」と呼ばれる。

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